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華やかな季節

桜がちらほら咲きだしたし、三月はやっぱり心が浮き浮きする。

最近いろんな場所で、若い人たちとしゃべることが多いのだが、別れと出会いの季節だからか恋物語もわりとよく聞く。
長くつきあってきた相手と、今ちょっと離れてる人が「淋しいです…いろんな楽しいことや面白いことがあった時、伝えれる人がいないのが、ああ、淋しいなあって思う」と言ったのには、本当にもの悲しく甘くしみじみした。

そう言えば以前に誰かのツイッターでリツイートされてた記事に、「たとえば花がきれいとか、月が美しいとか、海がすてきとか思ったとき、とっさに誰に話したいか思い浮かべて見て下さい。それがあなたの好きな人です」とかいうのがあったっけ。
もっともそれに、「…ツイッターかな」とつぶやいてた人がいて、それはそれで笑ったっけが。

いろんな人の心がゆれて、ぷちぷちシャボン玉みたいに青空を背にはじけているようなこの季節の華やぎを私は嫌いではないのだが、ただ、お仕着せのような涙と喜びのほとんどコース料理みたいな定番仕様だけは、むしろその華やぎの中で、化石のように醜いと思う。

卒業式には泣かなきゃいけない。その一方で楽しくて皆に祝福されなきゃおかしい。そーゆー決めつけの、型にはまった感情って、退屈だしみっともないよなあ。特に、自分の卒業や就職に関係者誰もが喜んでくれるのが当たり前って思いこまれてると、うんざりする。昔から思ってたけど、卒業も結婚も生むのも死ぬのも、一人で静かにやってくれんかね。

というわけで、あえて当分、おめでたくもなんともない、不気味な木馬の写真(しかも今回のは後ろ向き)を使ったろ。

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カツジ猫