血が騒ぐ。
◇連休の間は絶対どこにも出かけないで、家で仕事をする予定なのだが、それでもやっぱり世間が休みで、今日のように天気がいいと、特別な何かをしたくて、どこかに出かけたくて、血が騒ぐ。そのくせ、風邪の後遺症かトシのせいか、ちょっと動き回るとぐったり疲れて、次の日は一日だらだらしてしまう。いかんなあ。そうそう、カツジ猫のために買ったこいのぼりも、そろそろ立ててやらなくてはいけないのに。
◇昨日は街に出て、本屋で桐野夏生の「夜の谷を行く」を買った。連合赤軍事件を題材にした本で、ゆうべと今朝、ベッドで一気に読んでしまった。高齢者の老後や家族問題とも重ねながら、ショッキングな事件の体験者の特殊な事情を描いて、とても普遍的な日常にしているのがすごい。この作者の本はいつでもそうだが、骨太で力強く、健康的だ。ラストの壮大な深い救済も胸を打つ。
連合赤軍事件では、私も以前、友人たちと出していた同人誌「ガイア」にエッセイ「闇の中へ」を書いたことがあり、女性としてのこの事件への視点が、こういう小説に結実したことに安らぎのようなものを感じる。
そう言えば当時の学生運動に関して、私が書いた小説はこちら。これ、前半だけで、後半の第三・第四話はアップしてません。「鳩時計文庫」には入ってます。購入希望の方は福岡教育大学人文社会事務室気付・板坂耀子まで。
http://ww1.fukuoka-edu.ac.jp/~itasaka/hato/jujun_index.html
◇あの時代の混乱や不幸などに比べると、今の世の中は、味方同士の分裂や争いがなく、ものごとがはっきり見えて来ているようなのは、私にとってはひとつの救いだ。だが、その分、ものすごい危険が増しているのもまた事実だ。
国会では盛山正仁法務副大臣が、共謀罪について「一般人は捜査対象にならない」「何らかの嫌疑がある段階で一般の人ではない」と「キャッチ22」か「不思議の国のアリス」的な、恐ろしい答弁をしている。「通常の団体に属し、通常の生活を送っている人は対象にならない」とかも。
その「通常」とか「一般」とか誰が決めるんだ。警察と政府だろ。冗談じゃない。こういうのって本当に、力を持った人が好きに決められるんですよ。そして皆が、わけもわからず「通常」の「一般」になろうとして、必死になる。言っておくけど、そんな国に個性も芸術も学問も育たず、国力はとことん弱まるに決まってる。
◇夜、ジムに行ったら、今日は休日仕様で夕方で閉館なのを忘れていた。ちっ。DVDもお目当てのが借りられず、まあ別のを見つけたからいいけど。
昨日水やりをした胡蝶蘭は、今のところ葉っぱは青々して、まだ元気なようだ。