見つかったりなくなったり。

◇とにかくがむしゃらに家を片づけまくっているのだが、ジュラ紀か洪積世かなんかみたいな昔のものが、いろいろ出てくる。もういつの大昔に買ったかというような、コーヒーのペーパーフィルターがどさっと出て来たかと思うと、絶対誰かに盗まれたとひそかに決めつけていた、叔母が昔私にくれた、有田焼のお皿がみごとに１０枚ほど無傷で現れて、うれしいような気もしないではないけれど、それ以上に人を疑った罪深さにおののいている。この分では、同じようにいつからか忽然と消えた、お屠蘇の杯の一そろいも出て来るのではないだろうかと淡い期待をするのだが、無理だろうなあ。その一方で、いい額縁が見つかったら入れて飾ろうと思っていた、母が大昔に海外の文通相手からもらった古いカードが見えなくなった。こんなことに一喜一憂していたら身がもたないから、せいぜい泰然とかまえておくことにするが、原稿の締め切りもせまってくるし、何だかなあ。「ナポレオンソロ」をはじめとした、はちゃめちゃなスパイドラマによくある、縛られた台の向こうから、のこぎりや何かが、じわじわ近づいてくるしかけを見ているような気分だよ。そう言えば、のこぎりも新しいのがどこからともなく見つかった。ありがたい。

◇食べ物を買い置きしすぎていて、もったいないから期限切れのものを食べていたら、昨日お腹をこわした。牛乳から野菜から肉からパンから、全部が古くなっていたので、何が悪かったか容疑者がしぼれない。ヤバいと思って、友人から三年漬けておいたとか言ってもらった梅干しがひと瓶あったのを、ちびちびかじっていたら無事におさまって、今日また少し古いステーキを焼いて食べて見たが大丈夫だった。行きつけの店でその話をしたら、これからの季節、そういうことは絶対にしてはいけないですよと真顔でとめられた。

◇今日の「むなかた九条の会」は、自民党の憲法草案はあまりにひどいから、もうちょっとはましなのを作れないかというレポートを担当者が発表して、天皇の位置づけでいろんな議論が出て面白かった。もう最近、こういう会議での意見交換が面白すぎるのだが、紹介する時間がどうしても取れなくて悩ましい。実家の桜も見に帰りたいのだが、今日の暖かさと雨とで、そろそろ散ってしまうだろうか。