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言えとるな

トイレットペーパーに続いて、食料品なども買いだめが始まっていると聞いて、バカじゃないのとあきれて腹が立つと同時に、いったいそこまで行政やお上のすることを信じられず、過敏症みたいにちょっとつっつけば「自衛」に走る精神と、これだけ政府や首相の言うことすることが、末期症状をはるかに振り切れて、そのへんの町内会や子ども会の運営の方がまだまともという水準にまで落ちこんでるのに、なおかつ、のほほんと「他に人がいない」だの「政府もがんばってる」だの「この非常時に文句を言っちゃいけない」だのと、支配者や指導者をいっさい疑わずに、口開けてお上任せにして、あまつさえ選挙の投票にも行かない、女性が裸で夜道を歩くほうがまだましみたいな無防備の信頼しきった(とまらないから長くなる)精神と、どこでどう一致するんだと思って首をひねっていた。

そうしたら誰かが、ツイッターのどこかにもリンクしておいたが、「ふだんから、社会や行政が弱者を見捨てるということを、皆が肌身にしみて感じて、よく知っているから、こういう時に反射的に買いだめに走るのだ。責められるべきはその人たちではない」みたいなことをつぶやいていて、なるほどそれは言えてるなと妙に納得した。

それでもしかしやっぱり悲しいなあ。私もふくめて、多分ふだん政府や首相をぼろくそに言い、政権を変えないと私らは殺されるぞと訴えつづけている人たちは、今きっと買いだめに走っていないと思うのよね。「安倍ちゃんを信じます」「日本は立派、韓国はバカ」とか言ってる、いや言わないでもわりとそういう感じで生きてる人が、わりとたくさん「誰も守ってくれない」と思うとか考えるとかじゃなく、本能的に反応して、買いだめに走ってるように思えてならない。

本当に日本がすばらしい国で、政府や安倍ちゃんを信頼できるのなら、コロナウィルスも物不足もきっと何とかしてくれるだろう、国は私らを見捨てたりしないだろうって、大船に乗ったつもりで、寝転がっときゃいいじゃないか。それが出来ずに身体が裏切って、スーパーに行っちゃうのって、自分でもありゃこらまずいとか思いつかないものなのか。トイレットペーパーがなくなる心配の前に、自分は国や行政をまるで信じてなかったのかという不安が生まれないものなのか。

投票に行かないが買いだめには行くって、なんかもう、わかるだけに、つらい。本当は何一つ信頼できてない相手を、信じてますとにこにこしながら、そんな信頼何もしてないことが、ありありわかる行動とってしまって、それがみえみえになることも気づかないで、にこにこして見せてるみたいで、まさにイタい。

友人は北海道旅行に出発したのかな。三日ぐらいのツアーなのだが、何が起こって足止めになるかもしれないから、二週間分ぐらいの荷物を詰めておくべきだろうかなんて、ゆうべは電話でマジで言ってたが。

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カツジ猫