謹呈文を作ってみた
「情けあるおのこ」の本ですが、近場の人にさしあげるのにくっつける「謹呈文」を作ってみました。これをはさんで、さしあげることにします。
郵送しなくてはならない方は、もうちょっと遅れると思いますので、お許し下さい。
ご希望の方は遠慮なく、「お手紙」欄からお知らせ下さい。
謹呈
この本は、古典文学をどのように現代に活かすかという試みもかねて、「古典文学講義A」のテキストとして作りました。
しかし、同時にこれは、私が幼少期から抱えていた、「あなたは恵まれている」「あなたは強い」と言われて何かを要求されたとき、人はどう生きたらいいのかという課題への、自分なりの解答でもあります。
私たちはよく思いがけず、他者に何かを要求されます。本文中から引用すれば、
具体的にはそれは、介護しなければならなくなった老親だったり、経済的に行きづまって援助を求めてきた親族だったり、相談に乗ってくれと毎晩電話をかけてくる友人だったり、PTAや地域の役員になってほしいという懇願だったり、飢えている遠い国の人々への寄付の依頼だったり、門口に捨てられていた子猫だったり、何かに抗議する署名だったり、恵まれない人を救うためにもっと税金を払えという通達だったり、更にもう、そんなはっきりわかるようなものでなくても、誰かからどこかから、自分の幸福や満足がうらやましそうに見られているのではないかという、ただもう漠然とした不快感や危機感だ。
そういう意味では、この本の内容は、今ちまたで何かと問題になっている、強者と弱者、格差といったことにも大きく関わります。女性問題ともつながっています。
さまざまに危険な発言、不穏な見解もありますが、そういったことも含めて、お楽しみいただければ幸いです。
なお、更に関心がおありの方は、私のホームページ「いたさかランド」をごらん下さい。
2021年9月18日 板坂耀子
ところで台風は雨も風も大したことはなく、通過しました。こちらの写真は、庭のバーベナを入れた花びんですが、左側には父母の写真、右側には叔父と叔母の時計が並んでいるのが、何だか面白くて。