近代戦争文学事典
京都に詳しい矢野貫一先生には、「近代戦争文学事典」という、質量ともにものすごい名著の全集もあって、これはもう、大学図書館や、いろんな地域の図書館にぜひとも揃えてほしい。もう人類の財産と言いたくなるぐらいの逸品だ。今まだ全冊そろうのか知らないが、かりにばらばらで一冊個人が持っていても、読み物としてすごく楽しめるのではないだろうか。
今はもう大学の予算も厳しいからそんな余裕もないかもしれないが、そろそろ年度末で、図書費の使い道に迷っておられるところがあれば、ぜひもう購入を検討してほしい。
私は実はこの全集を最初からずっといただいていた。それなのに、恩師からいただいた本さえお礼もお返事もろくに出さない非常識な私は、感謝も感想も何もさしあげなかった。私はどうも偉大なものの前に立つと安心してほったらかすという、救いがたい傾向がある。いくら私がとるに足らない存在と言え、偉大な先生方がどんなにものたりなく淋しく思われたかと思うと、今でも生きた心地がしない。
自分の著書はまだしも、趣味で書いている小説類を友人知人に送りつけて、もし、それについておしゃべりができたら、どんなに楽しいだろうとときどき思ったりするが、自分が本をいただいた人に対してした(というかしなかった)所業を思うと、絶対そんな身の程知らずな欲望は持てない。そういう点でのあきらめを持てるのはまあよかったのかな、それももう、あまりに自分勝手だけれど。
何がそんなに忙しかったのかというと、いろいろあるけど、まあ弁解にはならないわなあ。もっと忙しく活躍しておられる方でも、ちゃんとそういう対応は欠かさない人はいっぱいいるのだから。やっぱり猫と悪政とその他もろもろにかまけすぎてたせいかしら。
まあそんな反省を今ごろしたってしかたがない。
一方で、授業の国文学史で、近世和歌のぐちゃぐちゃな作家関係人間関係を、そろそろばしっと把握して、きっちりまとめてしゃべりたいという、これまた法外な欲求にさいなまれはじめている。ぐうう、時間が時間が。
この前久しぶりに花屋さんで買ったガーベラは、案外ちゃんと長持ちしてる♫