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小津久足と京都

私が江戸紀行の最高で最終の到達点と考えている小津久足(長いな。笑)は、伊勢の人だが京都が大好きで、よく滞在して手放しで賞賛している。私も京都はちらとしか知らないけど、もちろん印象は悪くない。そして周囲の研究者の中でも、こよなく京都を愛する人は多い。

小津久足については、菱岡憲司氏の本がサントリー学芸賞を受賞したことで、また注目されそうで、これもまたうれしいことだ。

以前、名古屋の大学にいたころ、いっしょの講座にいた矢野貫一先生は、京都について詳しいので有名だった。お亡くなりになった後で、京都について書かれた文章を集めた本が出版された。「京都文化および動植物の国文学的研究」。ものすごく大部で、充実している内容なのに、全体がとてもおしゃれで軽やかである。
 この本を小津久足の愛読者や菱岡憲司氏に読んでほしくて、まずは自分が感想を書こうと読み始めたら、どの論考もエッセイも深すぎて面白くて、ずぶずぶ沼にはまりこんで、ちっとも読了できない。自分が情けなくて、くやしくて、でも読んでると快感にひたる。やばい。

せめて、ここで、この段階でも紹介しておく。皆さんに買ってほしいが、せめて大学の図書館とかには入れてほしい。こんな紹介で恥じ入るばかりだけど、もうそんなことにかまっておられない。

あ、ついでに恥をさらすと、以前、フェリシモって雑貨店で変なものをネット購入してしまった。江戸時代の絵画にヒントを得たという、十二支を一体に集めた小さいぬいぐるみ。どこやら「鵺」風だから、小津久足にならって「鵺学問」を宣言している菱岡氏に受賞祝に送りたいけど、さすがにバカにされるかなあ。うじうじ。

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カツジ猫