連句の断片(その1)
不幸な手違いで、捨てられるはずだったのを、かろうじて救ったごみの中から、昔学生たちと研究室で遊んで作った連句の断片が出て来ました。いつか教材にでも使おうと思っていたのですが、しわくちゃになっていて、もう断片しか残っていないから処分するしかなさそうです。くやしいから、残っている部分を紹介しておきましょう。
連句(俳諧)は江戸時代の文芸で、575,77,575,77と次々に句を続けて行くのですが、直前の句とは意味がつながっていなくてはいけないけど、もうひとつ前の句とはまったく関係ない話になっていなくてはならない、そうやって、どんどん場面が転換して行くゲームです。芭蕉なんかもよくやっていて、というか、芭蕉はこれが一番得意です(笑)。
学生に規則をちょこちょこっと教えて、すぐに皆で作って遊ぶので、もちろんめちゃくちゃ下手ですが、それなりに面白いですよ。上手な人の連句より、初心者には真似しやすくて勉強になるかも。
私の句がどれか、わかりますか? 同じくらい下手だから、あたらないかもね。明日あたり、アンダーライン引いて教えてあげます(笑)。←引いたよん(翌朝)。
裏山のおたまじゃくしに足がはえ
ぴょこぴょこみぴょこぴょこぴょこむぴょこ
志村けん時とともに伝説となり
土曜8時の月は変わらず
私だけなすこともなく老いてゆき
一人さびしく年金生活
ムダ毛剃り風呂場でいつも血を流し
刃にけずられた皮膚のおそろし
その皮膚もけずられたくはなかったぞ
青いチーズをかじるマドンナ
高カロリー食べたあとに後悔し
でもその後悔すぐに忘れる
コロンブス海の向こうに何を見た
たまごはゆでた方がいいかも
生モノであたったお腹が鳴いている
セミも鳴くかいわしも泣きたい
そだててる向日葵みんなかれちゃった
入道雲の下の出来事
でも、これ作ったの、多分二十年以上前なんだよね。そこで志村けんがもう伝説になっとるのか。
それと、私が若かったから、学生も平気で「一人さびしく年金生活」なんて句をつけてるんだよねこれ。多分。まあ今でも平気でつけるかな、何しろ私の教え子だし。
写真は、その頃よりさらにもっと昔の私(笑)。マスク以来もうやけで、露出しまくりやな。