邪悪な喜び。
◇風邪がまだ抜けていなくて不安でしたが、ゆうべはえいっとばかりに、ミュージカル「マリー・アントワネット」を見て来ました。きらきら華やかで楽しかったし、最後は思わぬトークイベントまであって面白かったけど、まるで「ZOO」のラスボスみたいな一女性(しかもその出自も実はなかなかという想定)の恨みつらみが、革命を起こしたという描き方は、わかりやすいけど、いかがなものか。すごくちっぽけな怨讐劇を見た気がして、革命側と群衆は心地よいほどアホに見え、王の一家は王妃を初め皆さん悲劇のヒーローヒロインで、まあ平家物語もこの図式なんですけどね。
平家もルイ一家も、犯した過ちの数々は皆忘れられて、なかったことにされちゃって、あーかわいそうで終わる、この展開が私は昔から死ぬほどいやで、だから源氏側が好きだったんだな子どものころから、とあらためて思い出したりしました。
◇22・23日の催しが終わるまでと思って、しっちゃかめっちゃかにしていた家の中はまだまだ片づかないし、体調はほぼよくなったとは言え、家の中にまだ風邪のウィルスが飛び交っているようで、窓を開けて空気を入れ替えてるけど、ちょっとがんばるとまだ微熱が出そうなので、だらだらしながら少しずつ、生活をまともに戻しています。昨日、ミュージカルの帰りに、何となく食べたかったチョコレートケーキを買ってきたので、昼食はそれですまそうかな。
◇お隣の方に裏の崖から落ちて来る栗を、ご自由に拾って下さいとお願いしておいたら、ちゃんと拾ってくれたばかりか、ゆでた栗をおすそわけして下さって、大喜びで食べてます。ひょっとしたら崖の上は整地されて、栗は切られるかもしれないという噂があるので、今年が最後の栗になるかもしれません。そう思うからか、ものすごくおいしくて、ケーキと一緒に食べたら最高だろうなと思います。
◇本も山ほどたまってるので、せいぜいがんばって読まないと。まだ、「マーチ家の父」にとっつかまっているのだけど、戦前、奴隷たちを優しく使って優雅に幸福に暮らしていた、豪奢な南部のお屋敷が荒れ果ててるみたいで、恐いもの見たさもあって、今から読むのが楽しみ。読書って、こういう邪悪な喜びもあるのよね。
海外ドラマは適当に「トゥルー・ディテクティブ」というのを借りて来てるけど、これがなかなか歯ごたえがあって、適当に見るというわけにも行かず、困ってます。もっとバカっぽいのか、いっそ一度見たのでも借りて来るんだったわね。