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雨の日の室内

一昨日だったか、帰って来たら、部屋の真ん中に黄色い葉が落ちていた。どこから来たのかと驚いたが、廊下に吊るしていたポトスの端が枯れていた一片だとわかった。床に落ちたのをカツジ猫がおもちゃにして、持って回っていたらしい。

同じ日だったか、久しぶりに花を買った。少し変わった面白い絞りのカーネーションで、それに合わせて長い赤茶色の葉も数本買った。
店の人も私も忘れていたのだが、カツジはカーネーションのとがった葉が大好きで、すりついてはすぐ茎を折る。そのたびに、折れて短くなったのをさしなおすと、ちょうど高低のバランスがよくなり、カツジが花活けをしているような結果になる。

長い葉がテーブルの上にうねって伸びているので、彼は喜ぶまいことか。くわえて、かんで、遊んだあげく、やはりカーネーションを一本折った。
だが、それ以上、葉をフラワーベースから引き出しもせず、飽いたのか今はもう気にしていない。
この覇気のなさは、飼いやすさでもある。

仕事の合間に、ベッドで寝て「博多豚骨ラーメンズ」の最新刊の短編集を読み上げた。あいかわらずのテンポの良さで、ミステリーとしてもそこそこ成立し、冗談のようにさらさらと人が殺されるのが、悪くない。中島京子の「平成大家族」も読み始めたが、おだやかで温かい文章と見せて、深い恐さもあちこちに沈んでおり、予定調和に決して堕さないのが、飽きさせない。

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カツジ猫