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雨の日曜日。

◇でれっとしていて、追いつめられて、ぎゃあっと必死で仕事して、疲れてばたっとぶっ倒れて、ようやく回復してまたぐったりして、気がついたら仕事が目の前に来ていて、わあっと半狂乱で片づけて、自分の火事場のばか力にうっとりして、しばらくまた死んでいて、我に返ったらまたせっぱつまっていて以下同文。
こんな毎日、毎週が続いていると、だんだんそれが快感になってきて、よくわからないけどドラッグ中毒ってこういう感じなのだろうかと、ぶっそうなことを考えたりする。

で、リフォームの書棚工事はもう目の前にせまり、この月末のたしか23日にやる九条の会の、私の講演ももうそこそこに近くなり、年の暮れも近づきお歳暮の季節も近づき、クリスマスも正月も近づき、何だかもうどうにでもなれという気分だ。
とにかくやっと今日、クリスマスケーキだけ、いつもの店で注文した。毎年これが最後になるかもしれないと思いつつ母と食べるケーキを選ぶのだが、今年はフランボワーズがどうたらという、真っ赤なケーキにしてみた。でも母はもっとこてこてに甘いのの方がよかったかしらん。

しかし気のせいか、ケーキの上の飾りがずいぶんシンプルになっている気がした。価格を抑えるのに苦労しているのかもしれない。そう言えば、いつも行くスーパーの野菜売り場のミョウガのパック、98円を維持してはいるのだが、以前は三つ、どうかしたら四つ入っていたミョウガが今は二つしか入ってなくて実質的な値上げだ。
週刊誌もようやく少し書き出したが、首相の景気回復なんて大方の者にはまったく影響がないとしか思えない。

そう言えば「しんぶん赤旗」の赤旗まつりのニュースに森永卓郎さんが登場していてうれしかった。母は以前テレビ番組で、この人のことが好きだったっけ。消費税に反対の意見を言っていたら、いつの間にかすっかりテレビに出なくなって、私はテレビ局に怒っていたのだが、このごろまた、ちょくちょく顔を出しているようで少し安心しているところだ。「言われ放題言われても、いつもにこにこ笑って自分の説を曲げない」と母はよくほめていたが、そういういい意味でのしたたかさがある人なのかもしれない。

◇今朝は外猫のしまおが、エサを食べているそばで、しょぼしょぼ雨の中を草取りしていたら、おぞましいほどあざやかな水玉模様のイモムシが草の中にごろごろしていた。私はこんなの別に恐くも嫌いでもないが、一匹ならともかく束になってうごめいていると、やっぱり少し背筋がぞわぞわする。
しかし、こいつら、こんなに目立っていたら、鳥にも獣にも人間にもさあ食ってくれ踏んでくれと言っているようなものだが、そこのところはいいのだろうかと思いながら、害になるものなら何とかしないとと、家に入ってネットで調べたら何とかいう蛾の一種のようで、さほど害になるものでもなさそうだから放っておくことにした。せっかくその内羽根が生えて飛べるのだから、そういう体験をさせてやりたい。私には絶対にできない体験なだけに(笑)。

◇井上靖の「憂愁平野」を読んでしまって、やっぱりなかなか面白くて、ネットで検索してみたらずいぶん前に映画にもなっていた。明るい勝気な妻の納所亜紀が山本富士子というのも、ううむという感じだし、不安定でいちずで危険な謎めいた若い女性の時津美沙子が新珠三千代というのも、どうなんだろうというキャストだが、二人に愛される磊落で愛嬌のある夫の賢行が森繁久彌という事実の前には、すべての感想がふっとんでしまう(笑)。まあ昔の映画とはそういうものなのかもしれないが、ここまですごいとイメージもいっそ壊れないなあ。あの場面やこの場面や、いったいどうなってるんだろうと思うと、恐いもの見たさでちょっと見てみたくなる。

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カツジ猫