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魂をひっぺがす

おだやかならぬタイトルですが(笑)、何ただの私の今後の計画の話です。
そもそも、参院選がひどい結果になりそうで(なったけど)、このまま座して死を待つのも私らしくないなあと思って、ここ数日せっせと政治の現状についての私の意見を書いて来たのですが、もう自分のトシやら残された仕事やらを考えると、とっくにこんなことからは足を洗ったはずだったわけで、現にもう、しなくてはいけない専門の国文学関係の仕事が遅れまくってる。
 
おまけに集中講義の成績を提出しようと思ったら、大学が今回から電子入力に切り替えるとのことで、ややこしすぎるマニュアルを送って来た。面白いから挑戦して見ているけど、こんなの高齢者(と決めつけるのもいかんけど)の非常勤へのリストラ計画の一環ではないかしらと少々思わないでもない。
 
そしてテレビではあいかわらず元首相の死を天皇崩御なみに扱って、カルト宗教との関係は必死で黙殺隠蔽し(そもそもその両者が両立できると考えてしまってるところに、報道関係各位の判断力のダダ下がりな低下を見るけど)、ここまで統一教会が支配層に食い込んでいたのかと、ただひたすらに気持ちが悪い。色艶が最近悪いと思ってたバラの葉っぱをちょいとひっくり返したら、びしーっ、みしーっと虫がはびこってたのを見たと同じような背中のぞげぞげ感がはんぱない。
まあ、ざっくりと感想を言えば、ここ数年の政治状況は、
 
右傾化じゃなくってカルト化だったんだ。納得した。(中沢けい@kei_nakazawa)
ということにつきてるわけで、こんなのに、まともな政治感覚や社会感覚を基本に怒っていた自分も、猫にスコラ哲学を説くようなものでアホらしいと脱力するし、それ以上に野党やリベラルの皆さんが、これを知っててあんなにちゃんと論戦をいどんでたんだとしたら、それこそ頭が下がるを通り越して、猫どころか芋虫に交通ルールを説明してる人を見るような、えーかげんにせーよという嘆息さえ出てきそうだ。
 
そして私の元首相への同情は、あきれて不安になってる人も多いかしれないが、昔、たしか高校のころか大学のころか、例の「柳かげ」「かまど」かどっちかの手作り個人誌で私は、「敵に対する憎悪は敗北の兆候、愛情は勝利の予感」だと書いた記憶があって(原文をさがしときます)、これは今でも私の変わっていない感覚だ。そんな私には、今のあの元首相のまつりあげられ方、ゆがみまくった総括のしかたは、本当に死体やゾンビをもてあそんで利用し尽くそうとしているようで、ただただもう、いたましい。
 
政治家だろうと犯罪者だろうと、人間は誰でも愚かなことをする。そんなのは本人の努力も神様の采配もあって、誰でも避けられないことだ。でもせめてそれをきちんと理解し分析して、正確でちゃんとした個人の肖像を作ってあげることが、残された人たちの礼儀で愛情だ。どんなにそれが醜くて哀れで恐ろしいものであったとしても、それが正確なものであるなら、その人は救われる。そこにはきっと何か美しいものも見えてくる。今、祖母の古い手紙をこのブログで紹介し、思いがけない家族の肖像が次々浮かび上がってくるのを驚嘆しつつ、そのことを実感する。映画「グラディエーター」の二次創作のひとつのなかで私は「真実は人を救う」と登場人物に言わせたが、それも私の実感だ。国文学の作品や人物の研究にも、それは私の基本的姿勢となっている。
 
そんなこんなでラジオを聞くのさえいやになり、もっぱらFM放送で音楽だけ聴くようになった。今考えると、まったくすべてが反対なのに、テレビで「そこまで言って委員会」を毎回欠かさず見て、田嶋陽子さんを応援していた亡き母の精神のタフさには、どう考えてもかなわない。
 
とにかく、世の中をまともにするにしろ、戦争をくいとめるにしろ、研究や創作を通して「私にしかできない戦いをする」という効率を選んだ精神を、もう一度かみしめ直して、少し政治的社会的参加のコメントは制限して、頭を切り替え興味を切り替え、魂をひっぺがして研究モードにシフトせねば、というのが、タイトルの意味ですねん。そう言いつつ、こんなことをこれだけ書いてしまうんだから、私も救いがないですが。
 
で、昨日は曇っていて、ちょっと涼しかったので、少しだけ中庭の草取りをし、枯れ枝をこれまた少しだけ清掃工場に持って行き、帰りにかねがね「水の王子」通信にアップしたかった宗像の山々の写真をとりまくって来ました。交通量の少ない田舎道とは言え、路肩に車を何度もとめて、スマホで山を撮りまくるのは楽しかったけど大変だったよん。山ほど写真が撮れてしまったので、こちらにもいくつか(いっぱい?)紹介しておきます。いやー、こうして見ると私は山を見るのが好きなんだなあ。登る気にはちっともなれないのに(笑)。
 
 
 
 
 
 
私の愛車の鼻先が、ちらっと見えてるのがご愛嬌。
 
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カツジ猫