魑魅魍魎の百鬼夜行
スーパーで人参が何本も袋入りで安かったから買って来た。いただいたじゃがいもがまだかなり残っていたので、玉ねぎも加えて、鶏肉のブロックをぶったぎって、ふんだんに入れて、この夏は使わなかった、そうめん用のつゆで煮込んだら、ものすごくおいしく、ぺろりと食べてしまった。それでついまた今日スーパーで鶏肉のムネの安いのをがぱっと買ってしまった。明日また作ろう。
一日だらっとしてたので、「ハックルベリー・フィンの冒けん」をまだちょっとしか読んでない。けっこう分厚い本なので、たくさん残っているのが逆にものすごく楽しみで嬉しい。大昔に読んだときに、島に隠れたハックが捜索隊の流したパンを拾って食べる場面でわくわくして幸福だったのもよく覚えている。大きな木の多い庭の岩のかげで、自分もそういう冒険をしているような気分になっていた。部屋の中にいてさえも、ふとんの中にいてさえも、自分が島にいるような気持ちになっていた。
ハックの野生児ぶりを愛しつつ、同じいたずらっ子でも良家の子弟のトム・ソーヤーの方は「退屈でつまらない、出て来たらがっかりする」とか言ってたのは、サマセット・モームだっけ。ちがったっけ。
でも私はトム・ソーヤーの方も別に嫌いじゃなかったし、この話のラストで、彼が黒人奴隷のジムを逃がすのに、わざわざバスチーユの囚人を逃がすようなややこしいことをしようとするのも、ある程度大人になってからは、江戸時代の黄表紙の「江戸生艶気樺焼」で、豊かな商家の息子の主人公が、愛読していた物語の色男のまねをしようとして、あえて金を出して迫害してくれるように周囲に頼む(作者の山東京伝があんまりうまいもんだから、この異常な状態が妙に普通に見えてしまうのが、逆にすごいんだけど。こういうところ京伝は上手すぎて損してるかも)のと、そっくり同じ図式なのが、ものすごく興味深くて面白かったりした。
とは言うものの、あんまり時間をとられてもいけないので、明日中には読み上げられたらいいけどな。
さっき、総裁選の各候補の演説の一部を聞いたが、まーどれもこれも、すかすかの内容なしのしかも危険なしゃべりばかりで、少なくとも私には「投票するな」というアピールにしか見えなかった。タイトルどおり、チミモウリョウのヒャッキヤコウとしか言いようがない。