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CMと言えば

前回に書いたむかつくコマーシャルの件だが、この忙しいときになぜそうまでも嫌いなのか、分析するのも無駄すぎるけど、まあとっさに考えるに、あのにこやかな明るい顔で、まちがった回答を堂々とくりかえす兄ちゃんの、学習しなさ、聞く耳持たぬ態度、自分でそれに気づいてない鈍感さ、などが、まるで今の首相や政府関係者やメディアの精神が、そのまんま人間になったかのような気分にかられるんじゃないかという気もする。

「あー、こりゃ言っても無駄だ」
 「でも、こう、けろっとしてると憎めない」
 「しょうがないよね、もうこういう人」

と相手や周囲に伝えて、あきらめさせる、受け入れさせる、なげやりにさせる、無気力にさせる、そういうキャラが浮かび上がって、気が狂いそうになる。

私のこの感覚が、いじめや虐待や差別につながるのかもしれないと言われれば、それはそうかもしれないね。でも言いかえれば、そういう、あってはならないものを生み出してしまう原因も、あの蛙の面に水みたいな明るい兄ちゃんの顔から探り出せそうな気もするのよ。

あいつはいったい、何の根拠と自信があって、あんなに毎回、平気で無神経な過ちを平気でくり返すんでしょう。よっぽど強力なコネか、背後の勢力か、世間の流れか、世論か何か、本能的に知っていて、「おれが何しても許される。強者(もしくは弱者)だもーん」と、どっかでたかをくくってるとしか思えないのよね私には。あの、一見まんざら愚かでも悪人でもなさそうなのに、空白な開き直ったぽかんと明るいのっぺらぼうの顔を見てると、こいつは脳にも心にも、なーんのシワも陰りもないんだろうなとしか思えない。AIみたいな不気味さだ。いやーAIだって、もうちょっと葛藤や学習をするだろう。

これを「生協」が作ったというのも微妙にいやなんだよね。こいつが叫ぶのは「安全!安心!」なんだが、その中に、「これには逆らえないだろう、誰も」という傲慢さと怠慢さがみなぎっているようで、うんざりする。私は自民党政権はとことん嫌いで、原発も嫌いで、戦争にも無駄な防衛にも否定的だし拒否感しかない。だが、同じ立場の人たちの中にも、「これさえ言っときゃ大丈夫」「このスローガンには文句を言えまい」「これに文句言うやつは相手にしない」みたいな図々しさや無気力さが、トップや中心の人たちの中にも漂っているのが、いつも不安で落ち着かない。そういう精神が「生協」みたいな組織の中にもあるのじゃないかとまで忖度したくなってしまう。

ところでCM関係で言うと、そういう悪い意味ではなく、いつも気になってときどき笑ってしまうのが、どこかの不動産会社の広告らしい、怪獣とサラリーマン(らしい市民)との対決。サラリーマンは恐ろしげな怪獣(ゴジラっぽいやつ)に向かって、「私たちが戦うと周囲の家や土地がまきこまれます。そして、この土地は僕の土地で、夢や希望がいっぱいつまっているのです。どうぞそっとしておいて下さい」みたいなことを、ていねいに頼む。しかし、怪獣は容赦なくぐしゃっとその小さな土地を巨大な足で踏み潰し、サラリーマンは「このやろう!」とか言って、怪獣に組みついて行く。いつからかもう、この二人?が、ロシアとウクライナにしか見えなくなった。そう思うと見るたびに毎回切ない。映像もせりふも、あんまりしっくり来すぎていてさ。制作者側はどこまで意識してるんだろう。

あー、まだ書きたいこといろいろあるのに時間がなくなった。二つだけ。

とりあえず、東京都知事選、現知事の逃げ回りぶりは目に余る。まったく報道しないメディアにも悪い意味で目を見張る。これはもう絶対に蓮舫候補を当選させないと、企業と政治と報道の癒着と腐敗は、取り返しのつかないことになるだろう。東京都の方がどうぞ投票に行って蓮舫候補の名を書いて下さるようにと祈るしかない。芸がなさすぎようと、不器用だろうと、そういうことから始めるしかない。

不妊手術強制に関して最高裁で画期的な立派な判決が出たのは嬉しい。被害者の方々の会見を聞いていると、想像もできないほどの苦しみと怒りに耐えた長い歳月が伝わる。これだけのことをやってのけた悪法が「議員立法」とやらで成立したというのも、何だかひどく気にかかる。昨今の閣議決定とどこか似ている気がするのは私の思い過ごしだろうか。

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カツジ猫