NHKは何をしたかったんだよ
一昨日のことだったかしら。夜中に西條八十の歌詞の歌の特集があるというので、楽しみにしていた。母も好きだった歌の数々が流れて、うっとりしていたら、中でも私が好きな「花言葉の歌」の半ばで、例によっていきなりNHKからの気象情報のお知らせが。
瞬間に絶望したのは、たしか30分か1時間前にも同じような情報が流れて、けっこう時間がかかったのである。これでこの歌はもう聞けない、下手したらその後も数曲聞けないと予感した。
そうしたら、その予想よりもずっとかかって(中味は前のとほぼ同じだったが)番組に戻ったときは、もうほとんど終わりかけていた。その後、5分もしないで始まった定時ニュースの報道もこれまたさっきの気象情報と内容はほぼまるで変わりはなかった。
NHKに質問したい。あんたいったい本当に何がしたいの。
台風情報が重要と言いたいんだろうが、雨が激しいから注意して下さいと言ってるのは奄美地方の話だよ。ここではまだ一滴も雨なんか降ってない。次の日も一日晴天だった。台風が瞬間移動でもしない限り、九州北部には、この情報は何の意味もない。
さらに、被害のニュースも数回流したと同じものを長々くり返す。海沿いの道で20代の女性が車に乗ってて風のために腕にけがした話やら、停電で治療のための機器が使えなくなった高齢女性が病院に運ばれた話やら、もう何回聞いたか。暗記するほどで、同情ももはやする気がなくなって来そうだ。どっちみち、番組をぶったぎって流すような急ぎのニュースじゃないだろう。全然、まるで、ちっとも。
そして、普通の人なら被災地以外じゃ寝ている夜中の3時すぎだろ。「早めに風雨にそなえて下さい」とくり返すけど、何かい、そう聞いたからって、夜中に起き出して窓枠に釘でも打って強化する人でもいるってのかい。
ことごとくがピント外れ、ことごとくが大きなお世話。手垢のついた古びた情報と、決まり文句のおざなりなご注意。そんなに急を要して重要で流さなくてはならないんなら、なでしこジャパンの試合でもぶったぎって流してみろってんだ。どうせ夜中の深夜番組なんて大した価値もないって、たかをくくってるんだろう。こんなに再々流すってことは、一定時間に何回かやらなきゃならないノルマでもあるんだろうか。やってました、流してましたというアリバイ作りなんですか。
歯ぎしりしながら、バカがアホがとののしりながら、聞いてる者もいることを、しっかり意識しておきなさいよ。呪われてんのよ、その一言一言が。そのことわかって、しゃべんなさいよ。どうでもいいニュースでさえない。じゃまで、不快で、汚らわしいニュースだって思われてんのよ。ひょっとして、被災地や現地の人にも、これはほとんど役に立たない内容じゃないの。本当に貴重な情報なんて何もないんだから。
これが初めてじゃないんですよ、私がこんなに怒るのは。これまで何度、どうしても聞きたいインタビューや実況や音楽を、ろくでもない不要不急のこの手のニュースでぶったぎられて聞けなかったか。せめて番組の合間に流すとか、地域に限って流すとか、放送中の番組と、その視聴者を尊重した配慮はできないの。「こんな犠牲もやむをえないと思わせるほど、重要な情報だと意識させたい」とでも思ってるなら、勘違いと思い上がりもはなはだしい。存在意義って、そんなかたちで強調するもんじゃない。そのくらいのこと、わかってるんだろうな、いくら何でも。
聞き逃してしまった花言葉の歌、こちらは歌詞つき。
ラジオで流されてたのは、これ。この途中でぶったぎられた。
庭で酷暑にも負けず咲いている、黄色いバラを少しだけ、つんで飾りました。