TNCの番組
一日、雨が降りそうで降らなかった。豪雨で被害を受けた人もいるから文句を言うのはいけないが、こんな天気は大嫌いだ。日暮れ前にしぶしぶ水まきをしたけど、明日はまた豪雨らしい。どっちでもいいから、はっきりしてほしい。

夜は仕事をしようと思ってたのに、TNCで、戦争に関するテレビ局の保存映像の紹介番組をしていたのが、迫力あって充実していて、面白すぎて、つい見てしまって、こんな時間。岸信介元首相が、中国での戦争(満州国の建設)についてトーク番組で、「そりゃ侵略でしょう」とはっきり認めていた。もちろん彼はそれに続けて「どの国でもしてきたこと」と言ってて、それはたしかにそうなんだよね。英国はじめ先進国の植民地政策を思えば。「日本が遅れて一番あとで、そういうことしたから、遅れてきた帝国主義というわけで世界からたたかれた」というナレーションも、その通り。そしてこれって、核拡散防止条約の理屈と、いやんなるほどよく似た発想よね。あとから新しく参入するのは、植民地でも核兵器でも許さないっていうのがさ。
原爆ドームが壊されそうになってたのを、高校生たちの運動がきっかけで食い止められた話もあった。その時期だったのかどうか、「週刊朝日」で有吉佐和子さんが、「今になってやっと口を開いて体験を語れる被爆者もいるのに、もう古いからとドームを壊すとは」とか批判する文章を書いておられて、都市の美観のために壊すという理由に対して、ただ一行「都市の美観!」とだけ書いてしめくくっておられた。母がそれを読んで賛同して興奮し、私と感想を言い合ったのを覚えている。
それから、戦争で精神障害を病んだ兵士たちのいた病院の記録が映ったが、テレビ「日本の素顔」で、「モンテンルパの夜はふけて」みたいなタイトルで紹介された番組は、これと似た内容ではなかったかしらん。これまた母と私は夢中になって感想を話し合ったものだったけど。「日本の素顔」の制作はのちに大河ドラマ「太閤記」を担当した吉田直哉さんで、「愚かなる戦争のいまわしきエピローグです」なんてナレーションも、母が感心していたのを覚えている。ま、いろんな回のがごっちゃになってるかもしれないが。母が死んでも全然いなくなったような気がしないのは、こんな思い出がありすぎるからだろう。
今夜の放送も、母といっしょに見ている気がした。他にも植木等の父のことばとか、「白旗の少女」にまつわる話とか、どこをとっても、制作者の意図と方向がびしっと明確で、ゆらぎもごまかしもぼやかしもなく、こちらの心もひきしまった。この番組のフィルムそのまま、平和教育や勉強会に使えそうである。
ともあれ、明日は長崎の原爆忌だし、このホームページの中の原爆や戦争に関連した記事もいくつかリンクしておきますね。「村の男たちは」とか、「1968年、原水禁カンパで」とか、「残された手帳」とか。
高校野球のこととか、猫のこととか、まだいろいろあるんですけど、それはまた明日。
あ、これはまた、まるで別なんですが、ネットをうろちょろしていたら、こんな動画があって、なかなか面白くて、よくできてるので、紹介しておく。YouTubeで見て、下についてるコメント読んでも楽しめる。