映画「仮面の男」感想集映画「仮面の男」感想(とは名ばかりのおしゃべり)6

えーっと、今日はもう、わりとどうでもいいことだけにしときます(まだ書きたいことが、いっぱいあって恐ろしいんだよー)。

ちょっとネットで感想見てたら、「セットや背景が安っぽい」って批判があった。
まー、そうかもしれないけど、ちょっと弁明しときますと、この映画、DVDだと全体がものすごく明るくなってて、王宮のすみずみまで、はっきり見えるんですよね。

DVDって、よく映画館で見た時より暗くなって、ひどい時には俳優の表情も見えなくなることがあるから、それに比べりゃずっとマシですけど、でもね、それで変にカルく見えてしまってるってのは絶対あるんだよなー。
この映画、劇場で見たときは、かなり画面のすみずみが暗いんです。だからそれがかえって、重々しくて格調があって、よかったんですよ。あの雰囲気なら「セットが安っぽい」って批判は多分出なかったでしょう。

私はこの映画、追っかけをして、けっこうあっちこっちの映画館で見たんですが、時にはどー見ても暗すぎるってこともあって、途中で席を立って出て行って、係の人に「画面暗すぎない?」って文句つけたこともあるぐらい(笑)。
だから、画面の明度をわりとはっきり覚えてるんですが、フィリップが入れかわって、舞踏会へと踏み出して行くとき、アトスと別れをつげて、赤いマントを背中にたなびかせて向こうに歩いて行くじゃないですか。
あのマントの赤がはっきり見えないほど、あの画面って暗かったんですよ。やっと赤い色が見わけられるぐらいで。
それがあーた、DVDだとなんかもう、天井の模様の青やら金色やらまで全部見える感じじゃないですか。

くりかえすけど、暗くなるよかいいけどねー、あの突拍子もない明るさは、やっぱりもう、元の映画の雰囲気をかなりこわしているよねー。
俳優たちが皆、重厚な安定した演技してるからよかったけど、下手したらものすごくぺらぺらの紙芝居みたいな軽量級に見えてしまうところだったよ。あの連中なら、ダンボールの書き割りの中で芝居しても、ちゃんとまっとうに見せるような力があるから助かったけど。

あ、それでまた思い出したけど、DVDでもうひとつ劇場と大きくちがったのは、ダルタニアンの目の色なんですよね。ときどき「青かな?」って思わせるときもあるけど、せいぜい灰色に見えるでしょ。
映画館じゃねー(と、見てない人を思いきりうらやましがらせてやろ♪)、彼の目はちょっと見とれてしまうほど、濃い鮮やかなブルーです。アトスの家の暖炉の前で困ってる場面なんて、もうそのまんま海の色、吸い込まれそうな深い青です。
だからDVDでは、別人とまではいかなくても、ずいぶんイメージがちがいました。ダルタニアンという人の、なぞめいた雰囲気を出すためには、あの目の色は貴重な効果があったと思うんですけどね。

バーンがあんなに目の色が印象的な映画って、これまでなかったよなーと映画見たあと、ぼんやり考えていて、はっと気づいたのは「ミラーズ・クロッシング」も「ユージュアル・サスペクツ」も、私はビデオでしか見てなくて、ということは、あの二つの映画でもトムやキートンは海みたいな青い目をしてたのかい! それはそーとー、イメージがちがうんでは、としばし複雑な気分にひたりました。

だから皆さん、映画はぜったい、映画館で(も)見ましょう!(笑)
見たい映画はぜったいに日本で公開してもらえるよう、映画会社に訴えましょう!

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カツジ猫