あむあむ
金貨のようにぴかぴかの満月が空に浮かんでいる。金貨と言えば、先日子どもの本で読んだクルイロフの童話、注文していた古本の文庫本が届いた。昔のだから字が小さく、いかにも地味な感じの本だ。
クルイロフの童話はけっこうたくさんあったが、カエルだの蜘蛛だの蛇だのライオンだのと動物を題材にしたものが多い。人間のでも、例の「逆わらしべ長者」の話はなかった。金貨を袋から出しつづける話や、靴屋のとなりの金持ちの話や、袋に金貨を入れてもらう乞食の話などは、ほぼそのまま出ていた。驚いたことに、それほど面白くない。やはり、子どもの本に編集した際の宇野浩二のセンスのよさが大きな効果を生んでいるようだ。
ちょっと面白かったのは、乞食が袋に次々金貨を入れてもらう話、入れてくれるのは神さまっぽいおじいさんだったのだが、クルイロフの原作では女の人になっていた。
サッカー、日本代表がいなくなったら、気軽に見られて楽しめてよい。ゆうべはモロッコとスペインの試合を最後まで見た。日本と同じようにPK戦までもつれこみ、モロッコが勝って8強だか何かに残った。モロッコのゴールキーパーがカッコよかった。
案外お天気がよかったので、旅行先から足をのばして、一年ぶりぐらいに田舎のお墓にお参りしてきた。昔ながらの墓の並ぶ中、私と母がピンクと黒の石で作った(墓標とかは昔のをそのまま使っている)一風変わった墓が目立っている。いつまた来れるかわからないから、枯れてもドライフラワー風できれいなはずのスターチスをたっぷり飾ってきた。だけど、カラスがいたずらして、ひっこぬいちゃうかもしれないな。
長いこと来なかったからか、石の間からひょろひょろ草が生えだしていて、それも全部抜いてきれいにして来た。ちょっと気分がすっきりする。
先日、猫のカツジをかまっていたら、うるさかったと見えて、久しぶりにぶちきれて、私の腕をあむあむと全力でかみついてきた。冬服は厚いから大して痛くもなく、笑って放っておいたのだが、あとで気づくと服は無事なのに、腕に歯が食い込んだのか、セーターの下はけっこう血だらけになっていた。昨日セーターを洗濯しようとしたら、袖口が固くて、どうしたのかとよく見たら血が固まってがばがばになっていた。アホなようでも、さすがはトラの係累である。