あらゆる点でそそるので
三省堂の「世界物語文学辞典」(4,620円)を大学生協で注文した。もう、何から何まで私の好みの内容だし、「海底二万哩」などは、私が子ども時代の夏休みに自由研究でやった行程表と、どこまで同じかぜひ確認したい。
今日は一日、洋服の入れ替えや、猫たちの汚した毛布の交換や洗濯と、せっせと働き、あっという間に夜になった。スーパーでストックの花を見つけ、甘い香りについ二束買ってしまう。この花はもう二十年も前に死んだ愛猫キャラメルの墓に、彼を包むようにしていっぱいに入れた花だ。その時と同じ香りがするので、毎年見かけると買ってしまう。部屋がその香りでいっぱいになると、彼が帰って来たような気がする。
実際には、今の飼い猫カツジが、その香りのただよう中、おさしみもわけてもらって、満足して、私の隣の椅子の上で、あおむけになって、なぜか前足を宙でそろえて、よく寝ている。彼は口の両側に、小さく牙の先がのぞいている。歯並びが悪いことになるのだろうが、上から見ると、それが変にかわいい。
昔のハガキを片づけるべく、友人にせっせと日常の瑣事を書いては出している。10円ハガキや5円ハガキも中にはあり、時には私が昔それに40円や50円の切手を貼ったりしているから、63円にしようと思えば、もう大変なことになる。60円切手もかなり残っている。その補充に使おうと、先月末に、値上がりを見越して3円切手を大量に買った記憶があるのだが、どこに行ったか見つからない。
「博多豚骨ラーメンズ」(聖地巡礼などもあって、なかなか楽しい)の木崎ちあきの新作「マネートラップ」、やっぱりめりはりとパンチが効いて面白い。破格なようでいて、きちんと正統派の文章や構成なのも快い(結局、文章については、基本的にこういう折り目正しさがないと私は絶対受け入れられない)。まだ読み始めたばかりなのでわからないが、人殺しが何気なく頻出する「ラーメンズ」に比べると、詐欺の話で人が死なないのが、迫力不足になってはいる。それをどう取り戻すのか、今後が楽しみだ。
ハロウィンが近づいて来た。うちの玄関にもこうやって、オーナメントがかかっている。