いや、楽しいんだけどね

業者の方にコーティングしてもらって、キッチンもトイレも風呂場も洗面台もきれいになったのはいいんだけどさ。運び出したものを元のところに戻すのに、きれいにしてから戻したいから、つい洗ったり拭いたり、そもそもできれば戻さないですっきりしたままにしときたいから、結局出したものが部屋中にあふれて、もう何ともかともひどい状態。いや、徐々にきれいにしたものを戻して行くわけだから、そりゃ楽しくもあるんだけどさ。

しかも、コーティングを傷つけちゃいけないナイロンだわしだの洗剤だのがあるから、新しいのを買わなくちゃいけないかもしれないし、これは当分いろいろ手間がかかりそうだなあ。まあ年内にすめばいいってことで、ぼちぼちやるか。

この家も思えば建てて十三年にもなるから、コーティングしてもらったって、まっさらにはならない。キッチンの蛇口は錆びてるし、浴槽もよくよく見ると、うっすら汚れは残ってる（それはもちろん契約書で了承済み）。だが、それがまたいい。私は蛇口だの便器だのを取っ替えようかと思いつつ、ここまでいっしょに苦労してきた戦友たちを、あっさり処分するのがいやで、ためらっていた。これで当分、またいっしょにやって行けると思ったら、心から安心する。

国会では岸田一派が（もう、この呼び方の方がしっくり来る）犯罪行為と言っていい不正行為の数々を、ひとごとみたいにしれっとぬるっと、うやむやにしてごまかそうとしている。そもそも岸田首相の就任直後から、この人は何かというと、「それはそこの担当者が対応していることで、私は発言を控えたい」という種のことばが多かった。控えめと慎重さに見せかけて、責任逃れの隠蔽の逃げ口上で、それが今でも続いている。うんざりだ。