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しまった(笑)

プロ野球の日本シリーズが毎回どんどん面白くなるので、つい仕事の片手間のはずが熱心に見てしまいそうになり、これじゃ困るからとっととホークスが優勝してしまえと思い始めていた。そうしたら願いがかなって、今日四連勝して日本一になってしまった。これで当分仕事にはげめると一安心してたら、何と優勝特番がテレビでたてつづき、選手たちのインタビューなどが、やたら面白いので、つい見てしまい、こんな時間に。

下手したら明日以降も特別番組があるだろうし、あれこれネタになりそうな内容が満載で、ネットの記事も増えてるし、またまた時間をとられそう。

書き出したらきりがないので、少しずつ書くことにして、今夜とっさに思ったことだけをいくつか。

毎年ホークスはシリーズ全体を題材にした映画を作る。去年はけが人続出の苦境からはい上がって日本一になるという、ドラマティックな展開で、おのずといい映画に仕上がっていた。今年は、あれをしのぐのは難しかろうと思っていたら、むしろ今年の方が名場面が多く、活躍したヒーローも数多い。どうするつもりか、制作陣は、うれしい悲鳴を上げてるだろう。中村晃選手の引退、柳田悠岐選手の復活、栗原陵矢選手の新記録、前田悠伍投手の活躍、山本祐大選手の移籍、どれをとっても主役級で映画が一本出来るじゃないか。誰を主役に編集するのだ。変に総花的に並べたって、つまらん出来になりそうだし、知らんぞもう(笑)。

そう言えば、去年の映画「ホークス・スピリッツ」のラストで、小久保監督が、「ため息、舌打ち、ひとり言は自分に禁じていた。しかし、ひとつも守れず」と言っていたのを思い出す。今年はどうだったのかしらん。

多分去年の日本一やリーグ優勝の時も同じことを思ったが、祝勝会のとき、選手は誰も自分のせいで勝ったという顔をしていなかった。一人残らず、つつましく、他の皆のおかげと感謝していた。それは今年もそうだったし、それは事実だった。誰もが不振や不調で失敗し、それをたがいに一度も責めず、誰かがそれを補って勝ってくれると信じているようだったし、事実、山川穂高選手や川村友斗選手だの、思いがけない選手が突然チームの危機を救った。ちなみにそれで注目されて何度もアップされた川村選手の顔立ちのおっとり優しい暖かい目に私は驚き、なるほど今ひとつ迫力がない闘志がないとか言われたりする人柄がしのばれて、でも何とか大成してほしいと、思わず心から祈ってしまった(笑)。この雰囲気は栗原選手と通じるものがあるから、あながち途方もない夢ではない。

同じ優しい穏やかさは山本祐大捕手も同じだが、山本選手は、その外見の中に激しさや荒々しさも秘めているのが何となくわかる。メディアやネットが、日本シリーズをありきたりの枠にはめて、「絶対王者のホークスに、抵抗するベイスターズ」の図式をあてはめようとしたのに私はしんからうんざりした。ホークスの選手やチームをそのイメージにでっちあげられないとわかって来ると、今度は山本選手の移籍にまつわる復讐劇という、これまたしょうもない話をこじつけて、彼を恨みにこりかたまった怪物にしようとしはじめたのには、もっとうんざりした。いろんないきさつがあったにせよ、そんなに単純な物語ではあるまいに。

彼が勝利後のインタビューで、「元のチームへの優しさが出てしまいそうだったから、相手とは目を合わせない、顔も見ないようにしていた」と初めて語った時、彼を攻撃する人がわずかな口実にしていたのが、彼が元チームメイトのあいさつを無視し、相手を見もしなかったということだったということも思い出して、そんな人たちのあさはかさ、想像力のなさに、あらためて、やれやれと嘆息した。

山本選手を復讐の怪物のようにとりあげるのと並んで、シリーズの初期にメディアが盛り上げようとしていたのは周東佑京選手のカッコよさが新しいファンを増やしているという話題作りで、これはまあそんなに危険や害はないだろうと思っていたし、本人も慣れているから心配はないだろうと思っていた。おそらく近藤、栗原選手と同様に、研究されてマークが厳しかったせいもあって、要所で仕事はしていたが、そう派手な活躍をしなかったから、この話題もそれほど長続きしたようでもないのも、幸運だったかもしれない。

ただ、山本捕手に負けないぐらい、激しさと荒々しさを内包しながら、周東選手が決して他チームの選手を敵視せず、盗塁を阻止されると、たちまちただちにやり返す負けず嫌いを発揮しても、相手の選手への振る舞いは、ときどきこっちが予想できないで、あきれるほどに優しいのは、おそらくは、他チームのファンから「ホークスの選手はオラオラ感がなくて好き」と言われる基礎を作っていて、その役割はとても大きい。そこには、油断とはちがう、心の余裕がいつもある。

小久保監督はビールかけの会場で、「うちの選手たちは、準備の天才です」という名文句を吐いた。たしかに、ただの一度でも活躍を見せた山川、川村選手以上に、柳町達、川瀬晃などそうそうたる実力者たちが、ずっとベンチで待機し、あるいは二軍で練習していた。いつ突然指名されてもいいように、コンディションを管理し維持しながら、待ち続け、仲間を応援し続けた。監督もそれはよくわかって評価している。それでも「準備の天才」という名が残酷に思えるほど、それは苛酷な試練に見える。

それはとにかく、シリーズ制覇後、私が一番見たかったのは、選手会長栗原選手の、どうせぐだぐだになるだろう、祝賀会のあいさつだった。何しろ私は彼のような無邪気で素直な性格ではとても選手会長としての優勝はできまいと、最初から思っていたぐらいで、また言っちゃいけない、とんでもないことを口走って、仲の良い周東選手をいらいらやきもきさせるんだろうと、少なからず楽しみだった。

問題のあいさつは、あいかわらず危なっかしくて、いろいろしょうもなかったが、それがかえって案外よかった。本人は、満足してなかったようだが。そして周東選手はと言えば、そんなことは珍しく気にもしないようで、いつもの栗原選手以上に、はずんで浮かれて、ゆるみっぱなしでいるようで、これもなかなか新鮮だった(笑)。

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カツジ猫