1. TOP
  2. 岬のたき火
  3. 日記
  4. ツンデレ愛国

ツンデレ愛国

昨日だったかしら、スーパーの入り口ですれちがった若い奥さんが、買い物袋の一番上に小さなポインセチアの鉢をのっけていた。ああもう皆、そんなのを買い始めているのだなあと思うにつけても、わが家のポインセチアはなかなか赤くなってくれないのにあせる。

暗いところに入れておくといいと言うので、毎晩廊下のはしのクローゼットに閉じこめているのだが、ほんのちょっとだけ茎のあたりが赤くなってきたので、しめしめと喜んだのもつかのま、それ以上いっこうに変化がない。この分ではクリスマスまでに葉っぱが赤くなりそうにない。お正月ぐらいに赤くなるのかしらん。ありそうなことだ。

どうせ300円ぐらいだし、新しい鉢を買ってこようかと思わないでもない。でも、去年そのちっちゃな鉢を買って一年、ものすごく栄えて伸びたのを見ると、もう緑のまんまでもいいや、今年のクリスマスはこれをながめていようという気にもなってきた。

そう言えば同じく去年買った葉牡丹の残骸がひょろひょろ伸びているのを中途で切って土にさしておいたら、これまた小さい葉牡丹ができているのだが、お正月をこれで過ごすのもあまりに貧相だなあと思いつつ、やっぱりせっかくだから、これで間に合わせようかと思ったりする。あーあ。何だか思い切り、じみ~な年末になりそう。

明石家さんまが昔からのサッカーファンで、ドイツびいきで、ドイツのユニフォームを着て日本との試合ではドイツを応援していて、日本の勝利を喜べなかったと嘆いたと、ヤフーのニュースに上がっていた。ほほえましい感じの書き方だし、さすがにさんまだし、昔ながらのサッカーファンだし、記事へのコメントもおおかたが、「どこを応援しても自由だ」とか、「古くからのサッカーファンには、ドイツへの憧れが根強いからしかたない」とかいう感じで皆納得していたようだが、やっぱりその中に、「日本人なら国際試合で日本を応援するのがあたりまえと思うのだが、そうでない人の気持がわからない」と、悪意や敵意ではなく、本当に不思議がっているようなコメントがあって、正直すごく恐かった。今こういう人が増えてるのか、昔からいたのか、知るすべもないけれど、一応知っていてもらいたいから、私の心境を書いておくと、私はこういう「日本人なら日本チームを応援するのが当然、普通、あたりまえ」と言う人を見ると、ぶっちゃけ、まっぱだかの狂人が刃物を振り回して道の向こうからまっしぐらに走ってくるのを見るのと同じぐらい、恐いのだ

「女なら男を、男なら女を愛するのがあたりまえ」「夫婦なら子どもをつくるのがあたりまえ」と、堂々と言われていた時代があった。それに慣れているはずなのに、そういうことを耳にしたときと同じ、身体のしんからの恐怖がよみがえる。サッカーも日本チームも別にきらいなわけではないが、本当に、ただもう、恐怖がこみあげてきて、生きているのもつらくなる。

まあ、こういうのにも、いろんな要素があるわけよね。そもそも私は、自分の好きなものを人に知られたくないのだ。政治からタレントからアスリートから食べ物から服から小説から、何から何まで。「めちゃくちゃ好きです、死んでもいい」とか思っていても絶対言えない。言ったり見せたり教えたりするときは、それなりに開き直っている。

神を信じ、国を愛していても、それを態度に示したくない。みっともない、恥ずかしい、というだけではなく、弱みを知られると危ないとか、それで「同じ趣味ですね」ときらいなやつからすりよられたらたまらんとか、まだいろんな理由がある。私は「赤ちゃんが乗ってます」という車の表示が、きらいとかいうより、いつもわけがわからなくて考え込んでしまうのだが、ああやって、自分の弱みをわざわざ見せてしまっているのが、他人事ながら恐くて恐くてしかたがない。家に女物の洗濯物だけ干したら危ないとか、ネットで個人情報を知られるようなことは避けろとかいうのと、明らかに反対の行動ではないのだろうか。いやーもう、わからんわ。

雨が降ったり寒かったりして、水まきをさぼっている間に、去年植えた山茶花が、しっかりかわいいピンクの花を咲かせ始めていました。最初に咲いた一輪は、もう散りかけていて、何だか悪いことをしたなあ。このまま根付いて、毎年咲いてくれたら嬉しいんだけど。

Twitter Facebook
カツジ猫