世の中ってこんなもん。
◇猫のドライフードを切らしたので買いに行ったついでに、スーパーに寄って問題のセルフレジを使っていたら、何とまあ財布を忘れて来ていて、店員を呼んでまた解除してもらうはめになった。おとなしそうな男性店員はうやうやしく私の言う通りにしてくれたが、どうも昨日私がぶちきれて意地悪をした彼だったような。本当にきっと私は認知症のクレイマーとしてブラックリストに載ったにちがいない、少なくとも彼の頭の中では。
キャッシュカードは持っていたので、店内のＡＴＭでお金を下ろして買い物は無事にすませた。この醜態でひとつ確認できたのは、店員呼び出しのボタンを押したら、「店員がまいりますがよろしいですか」とアナウンスがあってから店員が来るようになっていたことで、実は私は店内のアンケートのコーナーに「ぜいたくな要求だが、あまり度を越したセルフレジのサービスはけっこういらいらする」と書いてポストに放りこんでいたのに対応してくれたらしい。それもそれで何だかうざいが、まあ背後霊のように背中にはりつかれるよりはずっとましだから、感謝しなければいけないだろう。
◇断捨離を一段落させて、仕事に戻らなければいけないのだが、なかなか体制が整わないで四苦八苦している。下着も靴下も服も何とか人に着てもらえそうなものは寄付に回し、とてもあげられない古いものを自分が着るので、ボロ服を着るのが癖になり、きれい好きの叔母が化けて出ないかと心配だ。
ここ数日、うすら寒くなって夜に家で羽織るものを探していたら、それこそいくらでも部屋着もガウンもカーディガンもあるのに、なぜか虫が食ったような和風の羽織だか半纏だかを掘り出してしまった。きちんと裏地がついて手ざわりもよく、元は上等だったらしい。そして、袖口は稚拙につくろってあり、前で結ぶひもは取れたらしく、ものすごく適当なぼろ布のひもを雑に縫いつけてある。男性や子どもでも、こんな不細工な手仕事はしないだろうし、そもそもわが家の唯一の男性だった祖父は、料理も掃除も裁縫も絶対にする人ではなかった。
となれば叔母か母だろうが、母は豪快で乱暴で雑事にかまわない人の癖に、手先は器用でセンスがよく、いったんやったら玄人なみのことをするから、こんな仕事はしないだろう。叔母もここまでひどくはあるまい。とすると、晩年の祖母が、目や指もおぼつかなくなった頃にした針仕事なのだろうか。どちらにしても、あまりにもぐしゃぐしゃの補修がかえって妙にドラマチックで空想をふくらませ、つい毎日着てしまう。
いささか悩ましいのは、こんなのクリーニングに出したら認知症を疑われそうだし、手洗いしたらそれこそめちゃくちゃになりそうで、今からどうしたものかと考えてしまう。
◇民教連という先生たちの集まりが毎年開く研究集会の打ち合わせに出た。分科会や講座で、沖ノ島についても一つ作ってはどうかという話になったので、今まで猫をかぶっておとなしくしていたのも忘れて、女人禁制から予算から手続きから何から、ぼろくそに批判しまくってしまった。まあ教育関係の人たちには聞いてほしいことだったから、いい機会ではあったかもしれない。
ちなみに、この間いろいろ耳に入って来たたしかな情報では、そんなに昔ではない前には、女性でも漁師ならいいとのことで、子どもも若い人も女性が島に上陸していたそうだ。「私は何度か行きましたよ。世界遺産になってかえって融通がきかなくなった」と明言した若い女性もいた。その一方で、現在島内には監視カメラが設置され、ソーラーシステムもあるそうな。ソーラーシステムについては市役所は「ありません」ということだったので、質問者は海上保安庁に確認して存在をたしかめたとか。いろいろと、あれもこれも、もうむちゃくちゃである。
◇２６日の１０時と１３時から河東コミセンで、映画「標的の島」の上映会があって、私があいさつすることになっているのだが、最近世の中の動きを見ていないので、何がどうなっているのかわからない。いつものツイッターなどのぞいて少し情報を得ておくか。でも本当に今はもう、そんな時間もないのだけど。
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