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大漁じゃあ(ヤケ)

多分絶対これが最後と思うのだけど、注文したまま忘れてた古布のイワシが、またどさっと届いた。ひとつひとつは安くても、こうなると自分の散財の暴走ぶりに寒気がする。くっつけるヒイラギの造花はまだたっぷりあるが、とりあえずそのままフックにつるしておいた。何だかもう、異様な風景だ(ちょっと気に入っている)。

これも安物だが、泥臭さが気に入って注文した鬼の貯金箱も今日届いた。大きめのガーランド(窓ガラスの反射で見えにくいが、鬼のパンツや鬼の顔や棍棒などがフェルトで作って、ひもに通してある)といっしょに、上の家の窓辺に飾った。2月になったら、ここもライトアップしてやる。

この鬼が届いたとき、私は庭先で髪をカットしてもらっていた。行きつけの街のお店の美容師さんが、用事のついでに出張してくれたのだ。今日は本当に暖かだったので、玄関先に椅子を持ち出して、ほとんど一年ぶりに伸びっぱなしの髪を整えてもらった。なかなかカッコよく仕上がったので、夕方の買い物のついでに、よく行く花屋さんに見せびらかしに行ったら、写真を撮ってメールで送ってくれた。それをちゃんと携帯からパソコンに転送できたので(機械音痴の私には絶対ムリと思っていたので)、うれしくて、アップしてしまうことにする。老けたとか痩せたとか言われても、知ったこっちゃないもんね。もちろんこれは、そのお店の中。私の家じゃありません。うちはこんなに、きれいじゃない(笑)。

お店に黄色のかわいいチューリップがあったので、買ってきました。いい色です。それにつけても私が庭に植えたチューリップの球根は、まったく芽を出す気配もないが、どうなっているんだよー。

あいかわらず、軽めの文庫本をベッドで読み飛ばしている。「彼女が最後に見たものは」は、途中で気持ちいいほど暗くて陰々滅々だったのに、最後は崇高なぐらい骨太でまっとうで健全で、不覚にも心をゆさぶられた。これは、私が「情けあるおのこ」で描いた問題と重なるのだが、私や「夕焼け」の少女が途中でやめた生き方を最後まで完璧にみごとに貫き通した、市井の英雄、聖人の物語と言ってもいい。とても平凡で弱い存在のようなのに、それを立派にやった人の話だ。作者の他の作品もちょっと読んでみたくなる。Amazonの紹介を一応リンクしておくけれど、いつもはつい見る、読者のコメントは今回だけは見る気にならない。どうせ見当違いでピント外れの見解や感想が並んでいるんだろうと思うと、今回だけはそれに耐えられそうにない。

ピント外れと言えば、菅元首相が維新の橋下氏をヒトラーに例えたとかで問題になっているのが、さっぱりわからない。橋下氏はもともとまるで好きじゃないが、それとは関係なく、何が悪いのかわからない。偶然見たテレビでは、ふだんは一応まともなことを言う女性司会者が「ヒトラーに例えるなんて、絶対にしてはならないことです」と、深刻にしたり顔(ごめんよ)で言っていて、こっちはもう目が点になった。ツイッターにもあげといたけど、

国際的に厳然とご法度なのは、「ヒトラーを思い起こすような言動」であって、「ヒトラーを思い起こすと批判すること」ではないのです。(北丸雄二@quitamarco)

まあもう、これにつきると思うんだけどね。簡単なこと、自明のことだ。それを、いやしくも報道番組の司会してるような女性までが、さっぱりわかってないことに、すごいショックを受けた。
だいたいそんな、たかがヒトラーを、「ハリー・ポッター」シリーズの中で、名前を言うのもいけない「あの人」みたいにタブーにして触らないでいるのって、逆に神格化することにもなり、健全な精神じゃないよな。たしかハリー・ポッターの話の中でも、ちゃんとした人は、きちんと名前を呼んでたんじゃなかったっけか。

その一方で、そんな扱いはヒトラーにも失礼だし不親切だよ。触れちゃいけない悪魔みたいな存在にしてしまうのは。
私は彼が私や私の知人友人たちと、そんなにちがった人とは思えない。きちんとその功罪や弱点や長所も知っておきたい。そもそも私は少し前に「アベはヒトラー以下」とか、このブログで書いたんだけど、あれも、あの司会者に言わせると「それだけはやっちゃいけないこと」になるのかね。おふざけじゃないよ、お嬢さん(こんな書き方したくないけど、あんな発言平気でしてる人には、どう考えてもこういう呼びかけ方しか思いつけない。多分男性だったら「坊や」と書くだろうな。「いったい~、何を~、教わってきたの、わたしだってわたしだって、疲れるわ~~~~」とか、ついでにね)。

文庫本「総務課の澁澤くんのお弁当」も、ついつい一気読みした。うまく行き過ぎて何の不快な問題も出て来ないのに、退屈でもいやみでも平凡でもないというのが、すごい。全くの偏見だが、このさわやかさや、のびやかさは、もしかしたら北海道の雰囲気なのではないかと理屈にも何にもならないことを考えてしまったぐらいだ。

「食堂のおばちゃん」最新刊「夜のお茶漬け」も、まだ途中だがさすがにうまい。納豆のお茶漬けを食べてみたくなる。そう言えば、昨日のブログを書くのに「なまこ」を検索していて、大根おろしと食べるとおいしいとあったから、さっそく今日試してみた。刺激的なのにやわらかな味になるという、不思議な贅沢さを堪能した。また試したい。

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カツジ猫