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実は選んでる。

◇ちょこちょこのぞく、こちらのツイログで、最近話題になってるのが、「気にいらないなら日本を出て行け」という言い方をするおじさん(だけじゃないだろうけど)のことで、これは「原発いやなら電気使うな」も基本的に同じ発想なんだろうけど、とにかくこういうことが自然に普通に言えちゃう人たちって、「気にいらないから自分が出て行く」って発想が全然ないのね。それがとても不思議でならない。

http://twilog.org/Kumiko_meru

それに反発する人たちの方でも、「そっちが出て行け」と言い返す発想にはなかなかなれない、ということも話題になっていて、それはもちろん、まともな人だからだろうけど、そういう言い方(「出て行け」と言われるような)に慣れてしまっているという反省も出ている。

◇私自身は、わりとこの手の言い方に対する、「それおかしいじゃん、てめえ何のたまってんだバカ」という反論は口にするかどうかはともかく、脊髄反射的にすぐ出る方で、それはやっぱり長年の積み重ねっていうか、こういう、誰も頼んでないのに、勝手に自分が日本人やら男性やら女性やら某大学の関係者やら某地域の代表者やらの気分になって発言する人たちのことが、昔から目について鼻について、しかたがないからだろう。

若いころ女優の岩下志麻さんだったかが、「やっぱり男性にはかなわない」と週刊誌で発言していた。今思えばほんとに彼女がそう言ったのかも怪しいが、とにかく私が猛烈に腹を立てたのは、「あんたが誰かにかなわなくて、それが男性だったら、私は誰々にかなわない、と言えばすむことで、誰がどこでいつ、あんたに女性代表をお願いしたよ、ひっこんでなウヌボレ」ということだった。あるいはまた、「自分はダメだ」という勇気はなくて「女だからダメだ」と逃げてるのかフヌケ、ということだった。

それからまた「男性は女性を守るもの」というとき、それが真の騎士道精神とやらで、ばあさんでも醜い女でも親の仇でも女であればとにかく守る、というのなら、それでもいやだがまだしもわかる。しかし少なくとも私が見たり聞いたりする「女を守る」と言ってる男の大半は、「自分が好きな女、気に入った女、自分の好みにかなった女、ものにしたいという下心が夢でもいいからある女」を守ろうと言ったり思ったりしているだけのことであって、それは別に当然で悪くもなんでもないが、それを「男だから女を守る」という普遍的なことばにしてしまうのは、結局「世の中の自分の好みにあう女以外は女ではない」と言ってることに等しい。女性差別はさておいても、すさまじい傲慢さである。それに気づいてもいないのがまた、見ていてこちらが恥ずかしいほどアホである。

更によく「地域で団結しましょう」とか「大学でまとまりましょう」みたいなノリで、団結をせまってくる人がいて、それでも、そういう精神で、地域や大学やその他の共同体の構成員すべてに声をかけて、じゃけんにされても傷ついてもにこにこして我慢して「あの人も日本人だから」とか「あの人も同じ大学だから」とか受け入れて耐えて努力してる人は、うざくても本物だから私は尊敬するし好きだ。

だけど実際には、そういう人って結局は自分が好きな人、同じ意見の人、言うことを聞く人だけを選んで集めて、そこに日本だの大学だの町だの何だのという看板をかけているだけのことが多い。だったらまだ自分のハレムや仲良しクラブを名乗れよ。気持ちが悪い。

そういう、何かの属性で人をくくりたがるやつが本物かどうか見るのは簡単で、国民でも女でも大学でも会社でも、その中で自分の気に入らない人、好みに合わない人をどう扱うかさえ見れば一発ですぐわかる。
ごまかす知恵もないやつが多いから、こういうやつは、ものすごくわかりやすくて、たとえ同じ国でも性でも共同体でも、自分がきらいだったり苦手だったりする相手とは、絶対に接触も協調もしない。
むしろ、驚くべきことに、こういうやつは、そういう人を排除するのにこういう「属性の団結」を使う。「あいつは自分とちがうから、ここの構成員としてふさわしくない」「ここの一員として認められたければ、このの気に入る存在になれ」というチェックに使う。何それ。アホか。

でも、こういうことって皆、根本はそうだよね。子どものころから、「女らしくない」「女として不自然」「人間として不自然」とか言われたり、もので読んだりするたびに、「でも私はまちがいなく女で、まちがいなく人間で、その私がこうだし、こう感じるのだから、それは女として人間として自然なことなはずではないか」という、ほんとにただそれだけの理論にしがみついて、生き抜いて来たからこそ、そこは私の核になっているから、その図式がよく見える。

選ばれてもないのに代表のつもりになり、国や性や集まりを、たかが自分の仲良しクラブに横流しする。こういうことが普通にできる感覚の人間って、基本的には自分にとことん自信がなくって臆病で、それを認める勇気さえ持てないんだろう。情けないったらありゃしない。

◇おやもうこんな時間。朝ご飯を食べなくては。

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カツジ猫