忘れていた原爆忌
今日は広島に原爆が投下された日だ。もう何十年も前、名古屋の大学に勤務していたとき、夏休みを利用して友人と二人でシベリア鉄道を旅行するツアーに参加した。その何日目かで現地のガイドの青年が私たちに「今日は広島に原爆が落ちた日だね」と話しかけた。旅の緊張でそんなことはすっかり忘れていた私たちは、「ああ、そう、そうだったね」みたいな反応しかできず、彼はきっと何とアホな日本人だろうとがっかりしたのではないだろうか。今日、友人に出したハガキにそのことを書いたけど、彼女は覚えているだろうかな。
今朝、このホームページや「断捨離停車駅」にも書いた、私の実家に残されていた宇佐航空隊の特攻隊員の手帳のことで、NHKの取材を受けた。コロナ下の状況で直接のインタビューは難しく、オンラインでの取材だった。遺族が見つかって、手帳はもうそのご家族に送られたそうだ。何かご遺族に伝えることはと聞かれて私は「遅くなってすみませんでした。何とかして、もっと早くお渡しできればよかった。どうか皆さま、お元気でいて下さい」としか言えなかった。本当に伝えることは、それだけしかないと思った。
同じ特攻隊員だった別の方の手紙の話も聞かれた。あらためて、その話も、リンクしておきたい。手紙の写真はクリックすると少し読みやすくなります。
私は戦争を憎む。それにつながるすべてのもの、それを許すすべてのものを憎む。
写真は、その特攻隊員山下大尉の手紙になつかしいと書かれていた、実家の庭と近くの土手の桜の木。多分、彼が見たのと同じ木だ。