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思いやられる

はあ、立憲民主党の代表は野田さんか。まったくもう力が抜ける。いろいろと今後が思いやられる。またストレスがたまるなあ。これで自民党の総裁が誰になるのかと思ったら、もう、とりあえず何も考えたくない。

逃避とでも何とでも言え、プロ野球のホークス優勝の話でもしておくか。
 私は仕事をしながら耳でだけ優勝の瞬間を聞いていたのだが、日ハムが西武に勝たなかったらそれでもうホークスの優勝は決まるので、試合中にそうなったら、選手も観客も皆どういう心境になるんだろうとか、意地悪なことを考えていた。実際そうなりそうだった。

そうしたらホークスのリリーフ陣が、それまでわりと長引いていた試合を、あっという間に三者凡退だの三球三振だので、ばったばったと片づけて、最終回のヘルナンデス投手が2アウトツーストライクで(多分まったく無駄球なく?)打者を追い込んで、最後の一球投げる直前、日ハムの敗戦が確定したとアナウンサーが告げ、間髪おかず次の瞬間三振で試合終了優勝決定。誰もあんまり言ってないようだが、あのタイミングはそうそうあるもんじゃないのじゃないか。誰のせいでも、誰が悪いんでもないが(笑)、ちょっとあきれた。

その後恒例のビールかけを見ていたら、選手会長の周東選手がかなりぐだぐだの挨拶をしていて、それをスタジオの解説の松田が、「本人は20点と自己採点していたが、スローガンのビバ!を入れただけで100点です」と、また頭の痛くなるような評価をくり返し、川瀬選手は対戦相手の楽天の、弟の川瀬投手と昨日の試合でも三回目の対戦してまた討ち取られ、弟さんへのメッセージはと聞かれて「打たせろ!」とだけ叫んでいるし、いろいろ笑った。優勝から数年遠ざかっていたから、経験のない若手も多くて、それが皆手放しで喜んでいるのもさることながら、街頭で若い女性ファンたちが、「ファンになって初めての優勝なんです!」と涙しているのを見ると、政府も原発も立憲民主党もプーチンもガザも能登も、涙することはもっとあろうになどということは一応忘れて、よかったねと祝福したくなったから、私も甘い。

その後選手たちの手記?などをネットで見ていたら、例によって人の評価をもてあそぶ周東選手が、ビールかけのあいさつとは打って変わって似ても似つかない、無駄のない節度を保ったひきしまった立派な文章で、チームや自分を反省し総括しているのに、またいつもながらこの人の幅の広さだか奥の深さだか予想のつかなさだかを思い知らされた。

実は彼が選手会長になったと聞いて、甲斐や今宮やその他そうそうたるメンバーが「佑京でいいんじゃないですか」とか言ってたので、そうなのかと思いつつ、まだ半信半疑だった。周東選手がどうとかより、山川選手の獲得などでかなりチームの内外も波立っているはずだから、今年の選手会長は苦労が多いと感じていた。そのへんの問題そのものについては私は判断材料が少なすぎて何も言うべきことはないが、まあ柳田選手と山川選手が前から仲がいいのは聞いてたので、彼が何とかするかもしれないが、やはりチームの一体化という点では例年になく配慮が求められるような気がした。

うすうす知らないわけではなかったが、周東選手は春に身内に不幸があって、それを手記で確認すると、山川選手のことに加えて、もっとややこしい状況や雰囲気があったのだろうと予想がついた。
 本人の悲しみや苦しみだけではない。大病や不幸に見舞われたとき、その人をどう扱うか、どう接するか、何とことばをかけるか、周囲はとても気を使う。何を言おうと何をしようと不幸な人は傷つくし恨むし落ち込むしひねくれると、自分自身の体験から私などでもそこそこわかる。大丈夫よ心配ないよしっかりしなさいよあなたが幸福にならなくちゃ。そんなことばの数々をかけられるだけで、相手をしめ殺したくなったことが私は一度や二度ではない。
 それがわかればわかる人ほど、どうしていいか困るのだろう。
 ぶっちゃけた話、お母さんをあんなに大切にし愛している甲斐捕手など、この間ずっとどうやって周東選手と接して来たのだろうと、私は変な方面に同情し、また感嘆した。

腫れ物に触られるように扱われるのはいやなものだが、それ以上に選手会長という立場では、決して自分はそんな腫れ物になってはいけないし、逆に他人や周囲を大切にし気を配らなければならない。何より自分が決して気を使わせる存在であってはならない。
 そこから始まって、あらゆる手段で皆をまとめて元気にさせておかなければならない。
 どうやってそんなことができたのか、私には見当がつかない。
 多数のけが人や脱落者を出しながら、チームは今うまくまとまっているようで、これからどうなるかはわからないが、私は周東選手にも周囲にも、もちろん監督やスタッフにも、今の時点でもうすでに大きな尊敬を払わずにはいられない。

私が知らないだけで、他のチームにもそんな事情はいろいろあるのかもしれない。ずっと以前に工藤監督のスピーチに「政治家よりも立派で、日本の現状が情けない」と嘆いたことがあったけれど、またちょっと、それに似た思いがしている。

ところで、おちょくってるみたいですまないが、これは先日、高橋礼投手の話の時にリンクしそこねた、周東選手の「時間を守らない友人たち」へのぼやきインタビューです。

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カツジ猫