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沼にはまった

このところ毎日、「研究の沼」コーナーの「江戸紀行備忘録」の更新にいそしんでいます。そうしたら、ここ本当に沼ですねえ。ずぶずぶ沈んで行くばかり(笑)。

今、渡辺政香という人の紀行を整理しているんですが、もうコピーのファイルは一冊見つからないし(もしや田舎の書庫にまぎれこんでて、例の事件で廃棄されたのかも…と思ったとたんに絶叫したくなるから、それだけは考えない)、同じ題名のちがう本がいくつも入り乱れていて、どれがどうだか何がなんだかわからなくて、でもまたそれがまた面白い。

つっついたり、ひっかき回したりしている内に、次第にその紀行制作の過程や心の動きも見えて来て、もうやめられないとまらない時間がいくらあっても足りない。

体調の方はあまりよくないんですよ。コロナかなアレルギーかなという、ぱっとしない状態はぼんやり漠然とまだ毎日続いているし、目の調子もあまりよくなくて、長時間パソコンに向かうのは自重しなくてはならない。それでもそんなの何のその、私はとても幸せです(笑)。こういうことさえしていれば、毎日ただもう、満ち足りている。いつまで続けられるか、いつ終わりになるかわからないからなおのこと、他のことで少しも時間を無駄にしたくはない。

もう、いやっというほど無駄にして来ましたもん。長いこと。特に、主として放っといたらどうなるか見当もつかないほど、とんでもないことを次々やってくれる、ろくでもない政府のいろんな方針のおかげで。

黙って研究さえさせておいてくれたらいいものを、書類書かせて手続きさせて、競争させて忙しくさせて集中力奪って、それで学問が発展するとか国力がつくとか思ってんのか、どこかのバカは。

うっかり今日ちらと見たテレビでやってた、Go To Eatとやらなんたらの企画も同じでしょ(だいたい、あんな横文字の名前つけるのからして、いろいろ趣味よくないし、なんかどっか意識がまちがってると思うんよ)。いったいぜんたい何だって、ああいう政策を考える人たちは、バカなゲーマーか何ぞのように、それを手に入れるための条件をあれこれ作ってクリアした者にしか与えないってルールをやたらと作りたがるんですかね。何か利権が動いてるのかもしれないけど、それ以上にそれ以外にそれ以前に、何かああして手続きやこまごました条件で人を苦しめて、高齢者障害者その他そういうことができない人を困らせたり悲しませたり振り落としたりすることで、自分が優越感や達成感を感じる、世にもいやしい病気の病原菌に毒されている人間が、あちこちにチリやホコリやゴミみたいにうずたかくわだかまっているのじゃないかとしか私には思えない。

誰かに何かをあげようと思えば、その相手がそれに気づかないほどに、あっさりこっそりぽいっとあげるもんですよ。お店や家族がコロナで困っているのなら、文句なしに、じっとして動かないですむように、ただぽけっと口開けて座ってる人のひざに、どんっとお金をあげればいいの。それ以外のややこしいことはしちゃいけないの、するもんじゃないの。取りに来いとか書類出せとかボタン押せとか、そういうことを相手にしたがらせる段階で善意はすりきれ、消えちゃうの。死にかけている病人やけが人を、何のレースに参加させようとしてんのさ。ばっかじゃないの、重ね重ね。

私はコロナで何よりもほっとしたのは、世の中が熱いトタン屋根の上の猫みたように、一年中あれこれ、しかも皆そろって走り回って狂いまわって、ゆっくりじっくりものを考えることもしないで、お祭り騒ぎをしてるのが、少しは静かになったことでした。動いてないと死ぬマグロかよって言いたいぐらい、すべてが異常事態のハイな興奮状態に見えていて、それがとても恐ろしかった。

それで、静かになって不景気で苦しくなったというのなら、それを救う手立ても、落ち着いて考えて、静かに細やかに、五月の雨みたいに実行すればいいものを、何でいちいち、どんちゃん騒ぎにして、いやしげな目をキョロキョロするネズミのレースみたような世界を作りたがるのかね。それが活性化とか正常化とかいうなら、私はそんなものにいっさい関わりたくもない。

とか言ってもいられないので、先日ひさしぶりに由布院のホテルに泊りに行ってきました。朝のホテルの窓から見ると、どこぞから怪物でもあらわれそうな一面の霧にすべてが包まれていて、帰れるのか心配になりましたが、ほどなく霧は晴れて、由布岳がきれいでした。

おしゃれなお店で、ケーキとゆずジュースをいただいたのですが、ケーキについていたハーブの葉が、うちの家の庭にもしゃもしゃ生えまくって、どうしてくれようと思っていた茂みの葉っぱと同じなので、優雅なはずのお茶が何だかちょっと雰囲気がこわれたな、自業自得というやつですけど(笑)。
やっぱり、うちのあのハーブの茂みは、そこそこ刈り込んでおくべきかしらん。

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カツジ猫