福津の俳人
体力の許す範囲で、地域の方々と、私の住む宗像の隣町の福津を中心とした俳人たちの句集を読んでいる。具体的には月に二回の読書会をやっている。
これがもう、私は俳諧の世界にはまったくもって明るくないので、変体仮名を読む以外にはほとんどお役に立てないのだが、皆さんと句の解釈を考えていると楽しい。
中心になっておられる方は、資料調査や整理にとても精力的で、これらの句集を出版しようと計画されている。私には句のよしあしもよくわからないのだが、このへん一帯の江戸期の俳諧の活動はなかなか盛んで、俳人たちの活動も活発なのに驚く。
昨日の会では、
落水や次第次第に山の形
という句があって、「落水」は田んぼの水を抜くことだが、それで明らかになる山の形というのが、どういうことかわからなかった。そうしたら、その中心でやっておられる方が、農業も広くやっておられて、今でも田んぼの水を抜くと、水の落ちる場所に泥がたまって積もって山の形になると教えて下さって、皆なるほどと納得した。
翻刻だけで現代語訳はしない予定だが、注釈はつけようかと言っていて、私はこの句はしっかり説明して、ついでに今の「山の形」の写真もつけたらどうかと浮かれてしまった。
こんなことがあると、とても楽しい。江戸時代の俳人が詠んだ情景が、今の農業でも続いていて、そういう作業に携わっておられる方にとっては、この句があたりまえのように理解されるということが、わくわくする。過去と今とがこうしてつながり、未来へ伝えられて行く。私が無駄話をしたりして、時間をとってしまうのが申し訳ないが、早く句集が出版されるといいなと思う。どんなにささやかでも、この地の文芸活動の記録として、とても貴重なものになるだろう。
ネットの映像で「落水」を探してみたけど、「山の形」の泥まではなかなか見つからないなー。
その、合間のおしゃべりの時に、私の個人墓の話が出て、「画像を見たい」という方もおられたので、一応リンクしておきましょうか。
あれ、こっちは、墓の由来で、画像はなかったのか。下の方に今の画像を貼っておきますね。