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逃げおおせると思ってたのかね

ジャニーズ事務所が性犯罪の件で初めて記者会見をするそうな。私のこの問題への思いはすでに書いたけれど、それはそれとして、被害者の勇気ある告発がやっと取り上げられはじめたころから、事務所といい政府といいマスメディアといい、反応の鈍さとのろさには、ずっと、あきれかえりつづけている。無視し、軽視していれば、その内に皆忘れる、見逃されるとでも思っていたのかね。そりゃパリ外遊から風力発電汚職から殺人疑惑から、次々次々醜すぎる話が出て来れば、恥の上塗りというか糞で糞を糊塗して前の件をうやむやにするという可能性に賭けたくなるのもわからないじゃないけどね。けっ。

しかし、甘すぎるというか、世界や時代の流れとか趨勢とかいうものを知らなすぎると思うのよ。不思議で不思議でしょうがない。片田舎のよぼよぼの高齢者の私なんかに比べれば、情報網も知識量もけたちがいに豊富なはずの、政治家や報道関係者やエリート官僚が、高給もらって毎日何を調べて分析してんだよ。中抜きや賄賂の計算してるにしても、そんなに時間がかかるもんかい。

いやさ、私は世の中の流れを読んで、それに合わせるのは好きじゃない。どっちかつうと、あえて、それに逆らう生き方をめざしてる。そんな私でも、それだからこそ、そういう流れや趨勢に一応の目は配るし、対策もねる。
 児童虐待、年少者への性暴力について、ここのところの、まあ欧米が主としてだが、その厳しさは加速してるし、ものすごい。私の好きなケヴィン・スペイシーまで俳優としての活動は断たれてしまったみたいだし、教え子の少年と女教師の恋は、少年の両親までが認めて応援していても結局犯罪になったみたいだし、だいたい、そういうこと言い出したら「源氏物語」なんて、光源氏の若紫にしたことなんて拉致監禁のレイプだし、まあちょっと行き過ぎなんじゃないかいななどと、私も複雑な気がしないこともない。

それでも、そういう流れはもう世界的に定着して、ますます激しくなってるし、そんな中ではジャニー喜多川のやったことなんて、問答無用で弾劾され、日本の評価を沈没させるぐらいのおおごとなんですよ、どう考えても。政府はこういうときこそ、ポーズだろうとアリバイ作りだろうと、「絶対許さない」「政府は恥じている」ぐらい、言いまくってイメージダウンをくいとめるぐらいしなきゃいけないとこですよ。

国会も開かず議論もせず身内の「閣議決定」だけで国の基本方針の大転換を決めておいてからに「法のもとに」なんちゃらとか、寝ぼけたことを世界に言ってまわり、存在する文書を「ない」と言ってまで、朝鮮人虐殺をなかったものにしようという、サーカスの大奇術か曲芸なみのことを続けているほど、日本をまともな国に見せたいのだったら、こんな時こそ、「児童虐待の性犯罪は国家として絶対に認めない」の声明ぐらい、さっさとしたらよかろうに。ただなんだし。

それを「大したことじゃないんでーす」みたいな顔つきで切り抜けようとしたって、できるわけないし、ますます世界に見限られるだけだぐらいのことを、いったい判断できないものかね。もちろん事務所も。マスメディアも。

ついでに言うなら、児童虐待と同じくらい、世界のトレンドになって、葵の印籠なみに「へへえーっ」と皆が平伏して抵抗できない流れは、環境保全だろ。それを汚染水流すのに、ちっとも覚悟や準備がない。「よそもこれまで流してる」って、あのなー、そんな言い訳通用すると思ってんのかい! 政府が長崎広島両市長がはっきり要求した核禁会議へのオブザーバー参加さえもようしないで、世界に見限られつつある「核拡散防止条約」にしがみついてるのはみっともないが、そうまでして遵守墨守してる「核拡散防止条約」の根本理念は何だよっつうの。

「もう核を持ってる国はしょうがない。これ以上核を持つ国を増やしちゃいけない」でしょうが?
 まあこんな腰砕けの役立たずなこと言ってるから「核拡散防止条約」は世界各国に見限られるんだけど、それはそうとして、この理念の基本はこれやろ。「やってるところはしょうがない。これ以上は増やすな」だろ。

そりゃ、私もこの理屈はムカつくよ。けしからんし、認めないよ。でもさ、現実として、世界でも町内会でも家族でも、既得権持って悪いことしてる仲間に「あー、じゃ私もやっていいですかねー」と言って加わるのは、ヤワじゃないってことですよ。よっぽどの根回しやら工夫やらがいるってことですよ。

言ってみりゃ、「よそももうやってるから」って汚染水流しクラブに入会させてもらえると思ってる日本は、「うちも核持っていいよねー」と言って作ってる北朝鮮こと朝鮮民主主義人民共和国と全然ちがわん存在なんですよ。そのくらいわかってから、いろんなことしたり言ったりしろよなー。私はこういうダブルスタンダードに気づかない連中が一番苦手。はー、疲れた、もういや、仕事も山積みなのに。

今日は晴れたけど、風はあいかわらず、そよそよ涼しく、ちょっとだけ救われています。裏の崖の上のお宅の庭で、ヒマワリが咲きだしたのを見上げて、ちょっとうらやましかったのですが、わが家のヒマワリもやっと今日、一つつぼみが開きました。実はとてもお世話になっていた、ご近所の方が少し前に急逝なさって、淋しくて悲しいのですが、力強い黄色に少し慰められています。

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カツジ猫