「砂と手」シリーズ4・5冊発売中
「砂と手」シリーズは、第四冊「アフリカ」と第五冊「コロセウム」とが、やっと出来上がって発売しています。
あと三冊で、このシリーズは完成です。昔、「近世紀行文集成」が第二巻で中断してしまったトラウマから、やっと抜け出せそうですが…まだまだ油断は禁物かもしれない(笑)。
なお、全巻各冊の内容は、こちらでどうぞ、ご確認ください。
装丁担当のdynamislifeさんの凄腕のおかげで、ごらんのように、とてもきれいな仕上がりになっています。背表紙を並べても、渋くていい感じで、ほっとしています。
うれし紛れに浮かれて何冊か取り寄せて、さしあげたい人に送ろうとしたら、二三人に発送してバテてしまい、あとはまた当分しばらくかかりそうです。ごめんなさい。
既刊分にも未刊分にも、それぞれいろんな思い出があるのですが、今日は「コロセウム」についてお話を。これは、ローマ時代のコロセウムで戦う剣闘士のファンになって応援する当時の女性たちに通して、その心理や人間関係を考えるもので、今の推しとかミーハー精神にも通じる世界の物語です。
同時に主人公の女性が飼っている狼と、彼女の暮らしも描いて、ペットと人間の交流についても考えてみています。
彼女の知人の貴婦人の一人は猫を飼っているのですが、実はその猫のモデルは私が最愛と言ってはばからない(今の飼い猫カツジには内緒。笑)愛猫の故キャラメルがモデルです。誰にも話せず語れなかった、彼との日々や別れを、私はかなりこの中で書きました。猫を愛し、失った方々に読んでいただけたらとも願っています。そんなに胸をかきむしられるほど悲しい書き方はしていませんので、ほほえんで、彼と私の幸福だった時間をしのんでいただけたら、うれしいです。
「水の王子」シリーズの方にも狼っぽいイナヒという動物が登場しますが、イナヒ君は飼い主同様ちょっとアホらしくてかわいくて、「砂と手」シリーズのオオカミ君は、もっと大人でしっかり者です。私はどっちも好きですが。
そんなところも、お楽しみください。