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こういうことかい(5)

私はアベ氏の行動や発言、その人気や魅力の一端なりとも知りたくて、彼の本を読んだり、死後の追悼集の雑誌の弔辞に目を通したりした。しかし、恐ろしいほど何もつかめず、愛しているはずの人々のことばの中からさえ、索漠とした空白しか見えて来なかった。ただ伝わるのは、一貫した信念や特徴のなさ、独自性のなさ、圧倒的な小物感。今思えば、それは強力な他者が、あやつり、染め上げ、利用するのに、完璧な媒体だった。

なんかもう、悲しすぎる

素材もぼろい

私は小泉進次郎氏が首相にならなくてよかったと心の底から思っているが、それでも彼の突飛だが独特の発想や行動力や大胆さや自由さは、支配し、利用しようと思う者にしてみれば、予想がつかず困ると思う。それよりはるかにくだらないが、河野太郎や小池都知事でも、それぞれに利用するには危険すぎるし苦労するしエネルギーを使うと思う。アベ氏はとことん二流で平凡で策がなく信念もない。やりたい放題できる相手だ。

小泉氏について言うなら、総裁選中に父の小泉純一郎氏がインタビューを受けて「(出馬を)やめときゃいいのにね」と発言したことで、私は実に安心し、父子ともに好感を抱いた。遠い将来には進次郎氏もそれなりに立派に政治家として成長し通用するようになるかもと思わず期待もした。この父子には、まだそういう思いがけない反応を勝手気ままにする自由さがある。アベ氏や自民党やマスメディアをおおいつくそうとしている怪しげな何かに侵されていない。それを痛感した。

アベ氏の首相だった時期に、彼自身の意図や好みは、皆無だったのではないかとさえ私は思っている。統一教会を中心にいくつかの勢力がもののはずみでからみあったさまざまな思惑だけが彼を動かし、その背景の力を信じて、真実も倫理もすべて踏みにじって彼は自分が何をしているのかもわからず、国や国民の労働や叡智や良心が築き上げたものの数々を、無造作に破壊しつづけて行った。何もかもがこわされたが、中でも政治や社会や日常生活の中で普通に守られるべきルールやマナーが無視され破壊されつくしたのは最もひどい。それを一番くらったのは自民党で、今の犯罪集団にひとしいほどの状態は、彼らこそが最大の被害者だったと言っても言い過ぎではあるまい。党として人間としての尊厳も基準も彼らは奪われ、汚し尽くされた。

それを目指した人たちでさえも、ここまでの今の状況は望んでいたことではあるまい。しかし、私がつねづね、「寄生主と共存できず、滅ぼすまで増殖しつづけるガン細胞はバカだ」と言っているように、いまさら彼らにも事態の収拾はつけようがないから、この状態を維持し、今までと近いかたちを続けようとするだろう。それがやみくもに必死で結集したのが、アベ氏と最もよく似ている、扱いやすい、中味のない高市氏だったということだろう。

彼女の敗北と自民党の選択は「安倍政治の終焉」と北原みのり氏が書いているのを読んだ。そういう面もあるだろうし、そうであってほしいと心から願う。
 だが、きっとそう簡単ではない。
 骨絡みに自民党にからんだ危険な勢力の集合体は、まだまだ決して衰えてはいない。石破氏が早くも変節したと批判されているように、それらと妥協し、融和しながら戦い続けるのでなければ、石破氏でも誰でも、統一教会すらも駆逐してはいけないだろう。

そんな今、そんな中で、石破政権に対して私のとるべき姿勢とは何か。

ということで、最初の話に戻るのですが、やっぱり今日は力尽きた。明日こそ、きっと終わります(笑)。

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カツジ猫