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とりあえず、おわびと、そしてお願いを

祖母の昔の日記を紹介していて、何だか私の書いてるブログとあんまり変わらない気がして、やれやれとか思ってる間に、気がつくとプロ野球はCSが始まっていて、巨人も西武も敗けていた。巨人の方は前にホークスにいたリチャード選手が最後に三振してファンにたたかれてるし、西武も監督以下皆元気がないし、そりゃどこか勝たないといけないからしかたがないが何だかなあ。ちょっと淋しい。

ネットで見るとホークスが圧倒的な戦力で、勝つのが当たり前みたいに皆が言ってて、これはまた言われる方は逆にたまったもんじゃないなあと思う。そもそも、ぼやっと一年見ていて、雰囲気の良い、誰もが絶対他人を責めないで自分のいたらなさを口にする(どうやら本気でそう思ってるらしいのがまたちょっと泣ける)志の高いチームだとはわかるけど、そんなにものすごく強いという印象はないし、だいたいシーズン始まる前は、どこもかしこも批評家も記者も、こぞって日本ハムが圧倒的に強くて優勝すると決めつけてたのを、そして、そうならなかったら、今度はボロカスにたたいてバカにしたのを思い出すと、前評判なんて全然あてにはならないし、どうなるかなんて、まったくわかったものじゃないと思う。

仄聞するところでは、一番大事なのはリーグ優勝で、日本一とかは選手やチームの意識ではおまけみたいなものだとも言う話もある。私にはそのへんのことはまったくわからないし、どうせ阪神が勝ちでもしたら、どんちゃん騒ぎで特集組みまくるんだろうし(いや阪神にはまったく恨みはないが)、何しろメディアや世間の言うことなんて、ほんとにわかったものじゃない。

人の好みだからしかたがないが、私はそもそもどのスポーツでも(スポーツ以外でもか)変に家族や背景を持ち出して、お涙頂戴の感動話をしたてあげられそうになると、もうそれだけでうんざりして興味をなくしてしまうから困る。そんなことする一方で、たとえば広島カープのゾンビ煙草問題とやらは、目をそらしてなかったことにして結局選手を苦しめて放置するのも許せない。

とか言い出したらきりがないし、それよりこっちはこっちで、訂正お詫びしておかなくちゃならないことが。先日このブログで、ホークスの柳田選手が自分の持ち馬の名前に、上茶谷選手の名を使って話題になったことを取り上げた。同じ競走馬なら俊足の周東選手に頼めばいいのにとか、頼んだけど断られたんだろうとかいう情報があって、ありそうなことだと笑ってそのことも書いたのだが、その後確実な情報では、上茶谷投手が、思い切って、活躍したらご褒美に馬に名前を使ってほしいと言ってみたら、柳田選手が「名前のついてないのが何頭かいるから、そのどれかに」と快諾して二人で相談して「アップルティーバレー」なる馬さんが誕生したというのが、正確ないきさつらしい。

何頭も持ってるんかいと驚いたけど、それはおいといて、私がうっかり紹介した、真実じゃなかった噂は、もちろん周東選手にも失礼なことだったが、根本的に柳田選手に申し訳なかったと気づいた。同僚や後輩の人の名を、持ち馬に使わせてくれと頼むのなんて、うっかり光栄にも思えるが、常識的には失礼なことだろう。そして、ぶっとんでるようで基本的根本的にしっかり常識的で他人を尊重する柳田選手が、そんなことを自分から誰かに言い出すとは考えにくい。いくら言いたいこと言わせてる気のおけない後輩でも、だからこそ、そういう失礼なことは決してしそうにない。上茶谷選手が彼らしいお茶目で大胆な思いつきで、頼んで来たから「それじゃ」ということになったけれど、それは多分相手から頼まれなければ、あり得なかったことだ。

柳田選手だけではなく、ホークス全体にこのようなルールは存在しているように感じることがある。言いたいことを言い合い、後輩も生意気で先輩も言いたいことを言ってるようで、一線を決して越えず、相手を尊重し、礼儀を守り、いざという時はかばいあうし、いたわりあう。かたちはいろいろさまざまでも、特に先輩たちには、いい意味で義務としてそれが確立されているようでもある。

いじりあいも、おふざけも、そこに不真面目さや下劣さが一粒でもまじれば、あっという間にいじめやハラスメントに移行してしまうだろう。そうは決してならないのは、伝統というだけでは片づかない、人としての誇りや高潔さをたがいが支え合っているからだ。たとえば、山本捕手がいきなり移籍して来て活躍する状況の中での、海野捕手の決して自分を甘やかさず相手への反感や敵意を許さない立ち居振る舞いにも、それを構成する欠かせないピースの一つがある。

それをうっかり忘れてしまっていたことを、周東選手や柳田選手だけではなく、チーム全体に対して大変申し訳なく思う。

今後の試合の展開や結果がどうなるにせよ、そのようなチームのあり方、戦い方を、最後まで示して、多くの人に見せてくれればありがたいし、そうなることを信じてもいる。

ちょっと最後に、くだらないことを(笑)。
 追い上げられて危なかったけど、四十本のホームランを打って、ホームラン王と打点王のタイトルをとった栗原陵矢選手について、何だか話題にならないとか華やかさがないとか印象が薄いとか書いてるファンの発言があって、つい笑った。そこが彼のいいところなのにね。あれだけすごい活躍をしていても何だか凄みや迫力がないし、見た目も俳優並みにカッコいいのに、派手さや華やかさがいまひとつなのが。いつまでも、あけっぱなしで無防備で、陰日向も裏表もなくて、無邪気で、人がよくて、わかりやすくて。「話が面白くない」と言われる柳町選手の方が、まだずっとしたたかで複雑な気がします。でももうあれは、栗原選手は、そこが魅力と思って、はまるしかない。やっぱり貴重なキャラですよ。あんまり世の中にいない気がする。

それから何を今さらですが、CSの熱戦を、ぼやっと見ていて、それはそれで楽しかったのですが、周東佑京選手の走塁その他の身のこなしの美しさは、どの選手のどの試合でも似たようなものさえ見られませんでした。見慣れてしまうとわかりませんが、まるで氷の上を滑るか、空を飛んで行くような動きは、野球とはもはや別の何かですね。迫力も力も重さもまるで感じられないのがすごい。ミズスマシかサメか紙飛行機か流れ星みたいに、すうっと移動する。走り出したら願いを口にして塁に着くまで間に合えばかなうんじゃないかと思いたくなる(流れ星とまちがえて)。後継者を作れとよく言われますが、完全な再現はどう考えても無理。ある意味、絶滅危惧種ですよ。せいぜいもう、ご自分を大切にしてもらうしかなさそうです。最近あまり見てなかった分、あらためて、実感しました(笑)。

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カツジ猫