二つめのつぼみ
かれこれ十年ぶりぐらいに花を咲かせた台所のシクラメンだが、めでたくひとつ花が開いたのに続いて、二番目のつぼみもふくらみ始めた。だけど、なかなかうまくピントが合わなくて、いい写真が取れないのよね~。せいいっぱいで、これですから。
毎日寒いのはもちろんとてもいやなんだけど、こういう寒い日だと、大昔に買った、けっこう品がよくて高かった、それなりにカッコもいい、ぶかぶかの大きなオーバーをがばっと上から羽織って、ちょっとおしゃれな帽子をかぶってストールを巻けば、部屋着だろうとなんだろうと、ひょっとしたら寝間着だろうと、そのまま買い物にも何にでも外出できるのが大変助かる。このコート、ボリュームのわりには、とても軽いのよ。当然完璧に暖かいし。本当は叔母の遺した毛皮のジャケットもあるんだけど、これはさすがになかなか着るチャンスがない。
節分に替えておひなさまを飾って、いい気分になっていたけど、ひょっと思いつくとたしか私、もう何種類かすてきな小さめのおひなさまを買って持っていたのだよね。ひゃあ、どこにしまったんだろ。急いで探して見つけなくては。
DVDを借りにTUTAYAに寄ったとき、適当に買った文庫本の柚木麻子「さらさら流る」を読みかけている。この作者、作品にものすごく幅があって、私の好みに合ったり合わなかったり、あっさりだったりこってりだったり、落差が激しいので買うのにちょっと覚悟がいる。これはまあまあ、その中間で、楽しんでいる。けど、ポイントがヒロインの裸の写真がネットに流出してしまうことで、それはもちろん大変なことだが、それによって彼女が受ける衝撃と動揺が、なかなか感情移入できないで、そこが困る。これは私のせいで、私は自分の裸体や局部の写真がネットで広まっても、まったくどうってことない。そんなところに私はいないし、それで私をわかったつもりでいる人なんて、知人でも赤の他人でも、まったくどうでもいい。
だいたいが、私の母は、私と共用のカメラを買ったとき、大喜びして調子にのって、庭で私のオールヌード写真を何枚も撮り、あろうことかそれを町の写真屋に、人に頼んでフィルムを持って行かせて、現像してもらったんだよね。まだ写真はモノクロだった。母は今度は飼っていた黒猫を私の股に乗せて撮るとはりきっていたが、それは猫がなかなか適当なときにいなかったので、実現しなかった。私もその写真を友人や教え子に普通に見せていたし、今もどこかにあるんじゃないかな。見つかったら、ここにアップしても別にかまわないんだけど(笑)。
そのとき借りたDVDの「ハワイファイブオー」ファイナルシーズンも、もうすぐ見終わる。このシリーズ、強面のようで、実は相当リベラルな視点がかいまみえて、そこが好きだし安心できた。そして、いくつかの事件が同時進行する構成も、いつも組み合わせがよくできていてテンポもよくて見ていて快適で、その勢いがファイナルシーズンになっても衰えていないのが、とても嬉しい。
エアコンをかけっぱなしのせいか、買った花がすぐ傷んでしまうのだが、場所によるのか花によるのか、思いがけず長持ちする花があって、びっくりすることがある。このカーネーションも、多分もう十日以上になるのに、びくとも色香が衰えない。いっしょに買った黄色のチューリップが、もう開ききってドライフラワー状態になっているのに(それでもまあきれいなので、そのままにしているけど)、カーネーションは本当に買ってきた日のまま、美しくてみずみずしい。水はそうっと換えてやってるけど、恐くてさわれないで、遠巻きに見ている(笑)。
以前ほぼ同じ場所で、恐ろしいほど長くきれいなままだった白いカラーもあったなそう言えば。部屋のこの位置は空気の流れでも何か魔力があるのだろうか。
ラジオで冬季オリンピックの開会式報道。やっぱりメダルがいくつ取れるか前回を上回れるかしか言わない。他に話題も注目もないのか。そもそも勉強不足だろ。オリンピックも実は全然好きじゃないんだろ。そうとしか思えない。それに影響されるのもしゃくだが、こういう報道を耳にすると、あらためて、どこで開かれようが、夏だろうが冬だろうが、やっぱりオリンピックって嫌い。やつあたりだけど、野良猫に野放図に餌やりして近隣一帯に糞害その他の超迷惑をかけて、猫嫌いや猫憎悪をすごい勢いで増やしてる、多分自分では猫好き動物好きのつもりでいる人の罪深さと似ている。そう言えば世界遺産も。女人禁制を隠し通して認めさせた宗像沖ノ島と言い、今回の佐渡金山と言い、よそさまからのお墨付きをよだれたらして欲しがる精神の流す害毒って、はかりしれない。