映画「放射能廃棄物」5-映画「放射能廃棄物」感想(新3)
どの国も、そうやって作られ、中には今は放棄されて廃墟になってる原子力関係の施設で汚染された地域というのは、見るからに荒廃した「ああ、大地が湖が泣いてるなあ」と思うような場所もあれば、まるで何ともないように緑は青々、花は咲き、鳥はぴいちく鳴いていそうな美しい場所でただ放射線量は殺人的という場所と二通りあって、どっちも甲乙つけがたく恐くて悲しいです。ですが、国民やマスコミの目を逃れて、そこまでなっちゃった、実際に周辺住民に多くの被害も出して、そこまでも放置されたっていうのは、すべてそれが、「軍事関係」だったから、調べるのも取材するのも許されなかったからなんですよ。
あらためて、戦争ってのはそんなもんです。軍隊や兵士ですら「知らないままに戦わされる」って点じゃ国民と同じです。戦闘状態や開戦になる前に、戦争の準備をし、軍隊を持ち武器を持つということはそういうことなんですよお客さん。昔はそれでも、せいぜい毒薬か魔術か何かを塔の地下室にでも保管しとけばよかったのかもしれないけど、もはや現代の近代戦、科学兵器、原子力となった日にゃ、敵をやっつけるだけの準備をしとくには、その前に国内の国民と国土を限りなく危機にさらさなきゃ、下手すりゃ壊滅させるようなリスクがあるって承知の上でやらなくちゃいけないんですよ。
なんかもうねえ、私は戦争するというからには、まず負けたときのことを考えるんですが、仮に負けて私や家族が殺されて、他民族がこの地を支配しても、まだ「国破れて山河あり」で、国土が美しく残ってる方がいいなあ。
それとも、私の手から奪われ、私たちを殺した人たちが支配するのなら、国土はいっそ放射能でめちゃくちゃになってた方がいいと思う人もいるのかなあ。あ、でもかなりいそうだなあ(笑)。
ま、そんなムダ話はさておくとして。
◇ソ連もアメリカも、そんな風で、広大な砂漠や森や草原を死の世界にしちまってるわけですが、それ見てつくづく感じることがまたひとつ。どっちの国もとにかくばかでかいから、こういうこともできたのだよねえ。少々汚染されても、その地域を放棄しても何とかやって行けるんだもん。
そりゃ、砂漠も森林も湖もとても美しいよ。どの場所だって、汚して死なすにはほんとに惜しい場所ですよ。でも、それにしても、土地が広いんですよ、もう途方もなく。
それを見てて痛感するのは、日本みたいなせまい国で、原発なんて絶対に作るもんじゃないよ。国土の広さを考えてみ。しかも、どこの場所も緑があって水がきれいで、米やりんごやさくらんぼがしっかりできる土地ばっかなんだよ。世界の人類に対する責任から言うても、こういう国は危ないものおかないで、きれいにしとかなくてはいけないんだったら。
そういうと「生活が」とか「仕事が」とか言う話になるけど、それは政府も国民も全力で考えて、過疎地や地方の活性化を考えなければいけない。原発みたいな危険なものは選択肢の一つにはなり得ない。絶対に。
すみません、まだつづくのよ。