映画「放射能廃棄物」6-映画「放射能廃棄物」感想(新4)

◇さて、最初の方で書いたように、放射能廃棄物の海洋投棄は現在では禁止されてますけど、それはあくまでドラム缶で船から捨てるのを禁じられてるだけで、ドイツかフランスか忘れましたが、どっかの原発の廃液は、海に突き出したパイプから、海にじゃんじゃん流されています。そこをエビや魚が泳いでます。ぎゃあっと言いたい映像ですが、だいたい今でも日本の福島からは海にけっこう似たようなものが流れ出してるんじゃなかろか。世界はそれに怒ってるらしいんだけど、ほとんど報道もされなくて、だもんだから中国の化学物質が空を汚すとかぎゃあぎゃあ言ってる私たちって、ほんといったいどう思われてるんだかなあ。

と言った話はおいとくとして、とにかく各国の原子力関連施設で廃棄物や廃液の処理は、もう先が見えないしいいかげんだし、どうなってるのかわからない。フランスの工場からはそういう廃棄物がコンテナで延々ロシアのどっかに送られて、大した警戒もせず空き地にずらーっ、どさーっと放置されてる。ほとんどもう雨ざらし日ざらし状態。超超危険な物質ですよ。輸送途中も保管先も投げやりなんてものじゃないいいかげんな管理。

これを発送した会社か何かの責任者に聞いたら、まだ若いそいつは、いかにもフランスらしいしゃれた赤い樹脂の椅子かなんかに座ってさ、あくまでスマートに上品に、そういうことはこちらの管理責任ではないからさあ何ともみたいな、とんでもないお役所回答、企業の株主総会的対応。
人命や環境や人類の未来をどう考えてるのとか、もうその顔見てるだけで聞く気も失せる脱力感。
要するに電気が便利で生活が快適でお金がもうかって、その後や先はどうでもいいんだって発想があまりにも見え見え。弱い人とか地方とか開発途上国とか子どもとか、まだ生れて来てない未来の人間・動物とか、そういう存在のことは、これっぽっちも、かけらもあんた考えてないなーと、痛感させられる。まあ、わかってるんですけどね、それまでの、あまりにずさんで、投げやりで、人の命をないがしろにした実態の数々をつぶさに映像で見せられてきた後ですから。

◇んで、さらにダメ押しです。
もうちょっと、ちゃんと未来のことを良心的に考えてるとこはないんかいと言うと、ないわけではなくて、それは結局、日本の青森の六ヶ所村なんかもそうなわけですけど、どっかに厳重に保管して、その内に地底深く埋める、って方策で、これを実際にやっているフィンランドだかどこだか忘れたけど、その地下の工事現場の取材が最後に近く映し出されます。

ええと、あれはまだ実際の貯蔵庫じゃなくて、そのための下調べの施設だったのかな、とにかく、列車で運びっぱなしで遠くの空き地に放置するとかパイプで海に流すとか、そんなのに比べたら現状ではまだ一番真剣に誠実に取り組んでると言える試みでしょう。実際、原発を今後も稼働しつづけるとしたら、廃棄物の問題は、もうそれしか方法がない。あとはロケットで宇宙に飛ばすぐらいか。銀河系の全生命体からアホでバカで最低の生物っていう烙印押されるんだろうなあ、人類は。美しい国だの美しい星だの、どこの誰が思ってくれるって言うんでしょうか。

うーん、次回で終わりたいものですが(笑)。まだつづく。

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カツジ猫