昔のコラムそれはそうだろうなあ

映画「スター・ウォーズ」の最新 作が、ブッシュ大統領を批判してい るように見えると抗議されて、監督 が否定し弁明しているとのニュース をインターネットでちらと見て、妙 に納得してしまった。
私は最近あちこちで、「古典は現 代を生きるのに役立つ。今、世の中 で起こってることの大抵は、皆古典 に登場する」と言って回ってるのだ が、その一つは、古典文学を読んで ると、それこそ紀元前から近代まで の、正義と悪というものの、だいた いの条件と基準がわかることである。 これはやはり人類の智恵の蓄積とい うもので、「最後には勝つ正義の味 方」なら、決してやらないこととい うのは、古今東西大まかにでも断固 として存在するのだ。
ハリウッド映画の伝統も当然こう いう要点はしっかり継承している。 でなければ大衆をひきつけて、健全 な方向に教育して国益を高める良質 な娯楽活劇は作れない。
ところが最近それをやると、「マ トリックス」でも「トロイ」でも、 自国を侵略する強大な悪と必死に戦 うヒーローたちのせりふや行動は、 どう見たってアメリカのイラク政策 批判やブッシュ攻撃に聞こえるし見 えてしまう。
いったい、こんな映画を見て米国 民はどうやって感情移入し、どんな 風に感動しているのだろうと、大き なお世話だが不思議でならなくなっ てきていた。「キングダム・オブ・ へブン」も米国内で不振というし、 やっぱりそうだろうなあとどこかで ほっとし、いやしかし安心してる場 合じゃないのかもしれないが。

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カツジ猫