昔のコラム何という風土!?

先月の末、田舎の母が契約した必 要もない床下工事を即刻中止しても らった、その後始末にしっかりひと 月かかってしまった。その間ついや した労力と精神力はばかにならない が、まあそれは相手の方も同じかも しれないからおいとくとして、びっ くりしたのは、相談に行った消費者 センターで「職場への連絡は、セン ターからとわからないようにします から」と言われたことで、一瞬何の ことかわからず「はあ?」と間抜け な声を出してしまった。
こういうことが職場に知られたら 困る人も多いのだと、やっとわかっ て、「ご心配は無用です。この件を 私、職場の同僚に口がくたびれるぐ らい話しまくってますから」と答え たのだが、その後また、別の人から、 「あなたは大学の先生だから、そう いうことは隠したがるだろうから、 交渉はしやすい、と業者の人は考え たのかもしれないね」と言われてま たまた腰が抜けた。
かねがね、セクシャルハラスメン トでもレイプでも、被害者はちっと も恥ずかしくない、恥ずかしいのは 加害者だ、と声を大にして学生にも 世間にも教えているのだが、なるほ どこれでは浸透しないわけである。
「そういうトラブルを抱えている ことがわかっただけでも、職場での 評価が悪くなる企業もある」と聞く に及んで、あいた口がふさがらなく なった。そう言えばこの国では『こ とを荒だてるな』『お騒がせしてす みません』がモットーらしく、そりゃ 私だって、めだたずひっそり生きる のが好きではあるが、それはまった く、ことと次第によりけりである。

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カツジ猫