水の王子・「岬まで」16 2024年01月03日(水) ミーハー精神 ※ 「でさー、そーゆーわけでさー」祭りの準備でごった返している村人たちの一角で、つみ重ねた太鼓によっかかって一休みしながら、クマノクスビはいつものくったくのない調子でぼやいた。「あのおっさんのいうことが、どう… [続きを読む]
水の王子・「岬まで」15 2024年01月03日(水) ミーハー精神 ※ ひずめの音が遠ざかる。 おれの空耳かもしれないが。 遠くで太鼓の音がする。 不思議な花の香りが水の匂いとまじってただよってくる。 おれが閉じ込められている、この建物は、うす紅色の格子がはまっていて、… [続きを読む]
いったいどっちに転ぶんだ? 2024年01月02日(火) 日記 ニュースで被災地の被害が次第に明らかになるにつれて、重苦しさや痛みがつのる。亡くなった方はもちろん、この寒さの中、生き埋めになったまま夜を過ごす人たちの気持ちと言ったらどうだろう。最初から気になってはいたことだが、猫や犬… [続きを読む]
水の王子・「岬まで」14 2024年01月02日(火) ミーハー精神 ※ どさりと音がして、前方の人影が前のめりに倒れた。ほとんど同時に背後の方で、どたばた争う音がして、「あきらめろ、このバカが」と明るい陽気な声がした。「じたばたすんじゃねえよっつってんだよ」 「クマノクスビ… [続きを読む]
水の王子・「岬まで」13 2024年01月02日(火) ミーハー精神 第六章 太鼓が鳴って どんどこどん。どんどこどん。 ぴーひゃらひゃら。ぴーひゃらひゃら。 ちんとんしゃん。ちんとんしゃん。 朝から今日もにぎやかに、沼の上には太鼓や笛の音が流れている。 「あの子たち、やっぱりうま… [続きを読む]
何という正月 2024年01月02日(火) 日記 おせち料理と同様に、お雑煮も思い切り出来合いで、買い置きしていた野菜と鶏肉と人参、おせちの余りのかまぼこを適当に煮込んだ。 昔、名古屋にいたころ、親しい学生数人が、先生、正月に研究室でお雑煮を作ろうと言い出し、私は賛成… [続きを読む]
地震発生 2024年01月01日(月) 日記 石川県方面で大きな地震が発生したようです。津波の心配もあるようです。 原発も多い地域のはずだから心配です。 被害が少ないことを、ひたすらに願います。 何か私にできそうなことがあれば、ご連絡下さい。 大きな災害の後は必… [続きを読む]
今年の目標 2024年01月01日(月) 日記 何だかんだと言いたいことはありますが、とにかく皆さま無事に新年が来て、おめでとうございます。私は体調がまだ何となくいまいちなので、当分だらだら過ごします。ゆめゆめ、決して、くれぐれも、おいでになったりしないでね。電話もや… [続きを読む]
とりあえず十大ニュース 2023年12月31日(日) 日記 だいぶ気分もよくなったので、夕方ちょっと買い物に行く。私と同じに最後の買い物に来たらしい人たちで、スーパーの駐車場はいっぱいだった。豪華なお刺し身やオードブルがずらりとまだ残って並んでいて、あれが今夜中に売れてしまうとは… [続きを読む]
水の王子・「岬まで」12 2023年12月31日(日) ミーハー精神 ※ ある夕べ、私は昔のように弟と花の中に座っていた。何気なく花を手折って私が、この花を最初に見たときのことを覚えているかと聞くと、弟は目を見張って、けげんな表情になり、困ったように首をふった。 その時に、何… [続きを読む]
こわごわの大晦日 2023年12月31日(日) 日記 ここ数日働きすぎたのか、昨日の夕方から急に気分が悪くなり、文字通り身体をひきずってようやくお鏡餅は作り上げた。まったくこんなの、命と引換えにすることかいね。今日はまだおせち作りというかおせち詰めやらお屠蘇つくりやら年越し… [続きを読む]
水の王子・「岬まで」11 2023年12月31日(日) ミーハー精神 ※ あの人の声を覚えている。 いつからか私の耳は聞こえなくなったが、あの人の深く静かに響く声は私の記憶から消えることはない。 昔、ある人を愛した、とあの人は言った。 まだ少年のときに。誰よりも深く、激し… [続きを読む]
実況中継 2023年12月30日(土) 日記 さしせまった正月の準備で大事な日だから、怠けないために一日実況中継をする。ときどき嘘もまじるか知れんが(笑)。 5:55に起床。今朝はラジオ体操ができるかな。エアコンつけてラジオを入れる。そうしたら思わず、まったくやる必… [続きを読む]