『大才子・小津久足』感想(8) 2023年01月10日(火) 日記 定説の定着 江戸時代の紀行の代表が、「おくのほそ道」という定説というか常識を、この数十年かけて私はひっくりかえしてきたつもりなのだが、そしてわりと認めていただいてきてもいる実感があるのだけれど、それでもまだ中学高校の文学… [続きを読む]
「水の王子」通信(116) 2023年01月10日(火) ミーハー精神 「水の王子 山が」第十回 【タカヒコネの独白】(つづき) 老人は天井を見た。「まあよく見ておけ」と彼は言った。「いずれはおまえもこういう死に方をするようになる」 そうかもしれない、とおれは思った。もっとひどいかもしれ… [続きを読む]
「水の王子」通信(115) 2023年01月10日(火) ミーハー精神 「水の王子 山が」第九回 【タカヒコネの独白】 今朝スセリがうれしそうにおれの寝ているへやに来た。 「いいものを見つけたわ」彼女は両手を後ろにかくして、少女のようにおれに笑いかけた。「ほら、あなたがいつもかぶってた毛… [続きを読む]
「水の王子」通信(114) 2023年01月09日(月) ミーハー精神 「水の王子 山が」第八回 【コトシロヌシの独白】 私の小屋は、川のそばにある。 山の上にあった時と同様、とても小さい。 タカマガハラの人たちの好意で、彼らの船の廃材を多く使っているのも同じだ。色あせたり傷ついたりし… [続きを読む]
「水の王子」通信(113) 2023年01月09日(月) ミーハー精神 「水の王子 山が」第七回 【サグメの独白】 「サグメさまあ!」 明るい、あまりにも明るい声が背後からひびいて、私は危うく前にのめりそうになった。 ふり向かなくてもわかっている。この声はタカヒメだ。 剣の訓練をして… [続きを読む]
『大才子・小津久足』感想(7) 2023年01月09日(月) 日記 創作の動機 前二回で私がくり返した、「数万首の歌を詠んでいるような歌人たちのそれぞれの特徴を説明するのに、その中の数首の歌を紹介することで、いったい何かがわかるのか、伝わるのか」といった思いは、たとえば、そもそもその歌人… [続きを読む]
『大才子・小津久足』感想(6) 2023年01月09日(月) 日記 それで何かがわかりましたか? 前回の感想で、自分が授業で和歌について学生たちに説明するのに、どうしていいのかわからない点をけっこうだらだら述べて、それを菱岡氏の本の第二章あたりで解決の手がかりがないか見つけようとしている… [続きを読む]
七草粥 2023年01月08日(日) 日記 あっという間にもう八日。 昨日は七草粥を作った。ごはんの残りをなべで煮て、スーパーで売ってた野菜セットを放りこんだ。ほこりっぽいような味であんまりおいしくなかったけど、まあまあ食べられた。そろそろしめ縄とかも片づけないと… [続きを読む]
「水の王子」通信(112) 2023年01月06日(金) ミーハー精神 「水の王子 山が」第六回 【コトシロヌシの独白】(続き) 私たちは、それからしばらく、草むらの中で陽射しを浴びながら、とりとめのない話をした。「山の上にいつもいた鳥たちは、あれは皆どこに行ったんだ?」タカヒコネが気に… [続きを読む]
ぼくも、おしょうがつ(カツジ猫) 2023年01月06日(金) 日記 みなさん、あけましておめでとうございます たいへんおそくなりましたが、 ことしもよろしくおねがいします。 かいぬしは、ぼくとたべるおさしみが、 「おしょうがつようだから、めっちゃたかい。 ねんとうそうそう、これが、さいふ… [続きを読む]
お日さまに照らされて 2023年01月06日(金) 日記 この数日は本当に寒かった。何しろ久しぶりに水まきをしようとしたら、いきなり水がとまってしまう。ヘッドにごみがつまったんならもうお手上げ、買い換えるしかないので、うんざりしながらホースを持ち上げたら、象の鼻みたいに宙にたつ… [続きを読む]
「水の王子」通信(111) 2023年01月06日(金) ミーハー精神 「水の王子 山が」第五回 【コトシロヌシの独白】(続き) タカヒコネは山がくずれる前から具合がよくなかったから、ますますやせて、青ざめて、その分鋭い顔だちや、ひきしまった全身に一種のすごみがあった。だが私の父母の家にひ… [続きを読む]
『大才子・小津久足』感想(5) 2023年01月06日(金) 日記 前回の補充ー元資料の引用について 前回の前半の、「高級料理を屋台で提供する」試みについて、ひとつだけ補充しておきたい。菱岡氏の他者の説の引用を極限まで避けて、自分がその方面の専門家として原資料にあたって、それを用いて論を… [続きを読む]
「水の王子」通信(110) 2023年01月05日(木) ミーハー精神 「水の王子 山が」第四回 【作者の説明】 ナカツクニの村の復興にともなって、新しい課題もいろいろと生まれて来ます。これもその一つです。 前回があまり長かったので、今回はこの章は、いくつかに分けますね。 それにしても… [続きを読む]
中野三敏先生の思い出 2023年01月05日(木) 日記 菱岡憲司氏の著作の紹介のとき、中野先生に以前いただいた書評をちょっと引用したりしたので、その参考になればとも思って、去年出た追悼文集に寄せた、私の中野先生との思い出を紹介しておきたい。赤線の部分が菱岡氏の本の批評(第五回… [続きを読む]