いたずらっ子列伝・2(水の王子覚書26) 2024年03月28日(木) ミーハー精神 知ってる方も多いでしょうが、ミズハは古事記では尿から生まれた水の神さまで、彼女をかわいがって母親代わりになるハニヤス(私の小説では、です)は大便から生まれた土の神さまです。こんなものから生まれた神さままで作るところが、古… [続きを読む]
いたずらっ子列伝・1(水の王子覚書25) 2024年03月26日(火) ミーハー精神 「水の王子」シリーズの「渚なら」に、ミズハという少女が登場する。もともとは「丘なのに」でデビュー(笑)して、その後、父にうとまれて、ナカツクニの村に預けられたことになっている。本人は父に嫌われていると知らないので、トラウ… [続きを読む]
新約聖書の例え話・続き(水の王子覚書24) 2024年03月24日(日) ミーハー精神 私の母は、その昔、戦前に長崎の活水短大に行っていて、当時そこでは国文学以外のすべての授業が英語で行われていたそうな。事実上、留学していたようなものだが、母はむしろ、そのキリスト教一辺倒の(宣教師の女性が作ったミッション系… [続きを読む]
新約聖書の例え話(水の王子覚書23) 2024年03月24日(日) ミーハー精神 「湖よ」の覚書でも書いたが、だいたいの構想も方向もできているのに、何だか次に進む推進力がない時には、ひょいと思いがけない題材がきっかけになって、後が続くことがある。「湖よ」の場合には身内のしょうもないエピソードが、とっか… [続きを読む]
アマテラスとハヤオ(水の王子覚書22) 2024年03月23日(土) ミーハー精神 「水の王子」を書き出したのは私の三十代の終わり、つまりほぼ五十年前です。現在このホームページで公開中の第四部まで書いて、五部が書けずに四十数年たちました。一昨年突然一気に第五部「村に」が出来てしまって、現在紙本と電子書籍… [続きを読む]
うぎゅ(水の王子覚書21) 2024年03月22日(金) ミーハー精神 「水の王子」の最終編「川も」を書き上げて、いよいよこのシリーズと手を切れるとのんびりしていて、気がついたら、くうう、紙本と電子書籍で出版する際の冒頭につける「登場人物紹介」を書かなきゃならないのを忘れてた! 新しいイラ… [続きを読む]
水の王子・「川も」18 2024年03月18日(月) ミーハー精神 第十章 春の訪れ 雪は次第にとけ始めていた。川もそろそろ新しい流れの場所をさがしているように、水が減ったり増えたりと、不穏な動きを見せ始めていた。人々の家の回りには、可憐な淡い水色の花が咲き出していた。 商人の宿にはま… [続きを読む]
水の王子・「川も」17 2024年03月18日(月) ミーハー精神 ※ 「そう言えばさ、こういうこともあったっけ」娘はそんなヒルコをながめながら、気持ちよさそうに、また酒をすすった。「子どものころから時々ね。あたし女の友だちから、よく言われることがあるのよ。今でもどうかすると… [続きを読む]
水の王子・「川も」16 2024年03月18日(月) ミーハー精神 第九章 殺された女 二人の少年は、多分、村ではお屋敷についで二番目に大きい、商人たちの宿になっているという家の入り口に立っていた。外見からでは目立たないが、家の中は入り口からすでに一段ごとに色のちがう石をしきつめた派手な… [続きを読む]
水の王子・「川も」15 2024年03月17日(日) ミーハー精神 ※ モモソはもらった針を喜び、小さな灯りの下で夜遅くまで、せっせとつくろいものをした。「あの口のうまい男のことは、そんなに悪くは思ってないのよ、私は」と、手を動かしながら彼女はツマツと二人の少年に話した。「あ… [続きを読む]
水の王子・「川も」14 2024年03月17日(日) ミーハー精神 第八章 商人の宿 それ以後、屋敷でヒルコとハヤオは、時々その若者としゃべるようになった。屋敷の空気はのんびりしていて、下働きの者たちもひまそうにしていることが多く、庭先で家具を修理していたり、廊下で床をみがいていたりする… [続きを読む]
水の王子・「川も」13 2024年03月16日(土) ミーハー精神 第七章 動く川 「よう、坊やたち!」 声をかけられてふり向くと、のんきな顔の若い男が川辺に腰を下ろして魚を釣っているのだった。ハヤオとヒルコは屋敷に夕食に行く途中で、まだ早かったから、ゆっくりと歩いていた。 男の顔に… [続きを読む]
水の王子・「川も」12 2024年03月09日(土) ミーハー精神 「ツマツの死んだお父さんは、備えておけ、って言うのが口ぐせだったらしいな」ハヤオは歩きつづけながら言った。「いつ誰が突然やってきても、すぐ迎えられるように、そして旅立てるように。でも、あの子たちの様子は何かそういう心がけ… [続きを読む]
水の王子・「川も」10 2024年03月07日(木) ミーハー精神 ※ その夜も遅くにふと目をさますと、ツマツとモモソが低い声で楽しそうに寝床の中で何かしゃべっており、ヒルコはハヤオのすぐ横で、世にも幸せそうにぐっすり眠りこけていた。 なぜかその夜は、ハヤオはとりわけ目がさ… [続きを読む]
水の王子・「川も」9 2024年03月07日(木) ミーハー精神 第五章 夜の声 ハヤオの胸のむしゃくしゃは、それから何日たっても一向に治まらなかった。 かりそめにも、どんなかたちででも、好きだと言ってもらったのだから、ちょっとぐらいはうれしくてもいいはずだと思うのに、なぜだかちっと… [続きを読む]