(20)絵画をめぐる伝説 2017年07月03日(月) 断捨離狂騒曲 どこの家でも、昔から何度も語られて記憶されている伝説が、ひとつやふたつはあると思う。私の場合、語り手はいつも母で、幼い私は時に何度もせがんで同じ話をさせたりした。 しかし実際には、はっきりと覚えているものは少なく、結局一… [続きを読む]
(19)おほほほほ 2017年07月03日(月) 断捨離狂騒曲 (お茶くみ・男女差別・急須) 緑茶よりココア 子どものころ、緑茶が飲めなかった。祖母や母が淹れてくれる甘いココアが大好きで、叔父が同じココアのことをエッセイに書いているのを見て、昔からわが家ではそうだったのかとあらためて… [続きを読む]
(18)男たちの顔 2017年06月25日(日) 断捨離狂騒曲 (キリスト・仏像・活水女学院) ごたまぜの信仰 男たちなどと呼ぶのは本当は大変恐れ多いお二人である。 何しろイエス・キリストと薬師如来なのだから。 大抵の日本の家と同じように、わが家の宗教もいいかげんだった。 一番身近だ… [続きを読む]
(17)謎の月象 2017年06月24日(土) 断捨離狂騒曲 おや?と思ったのは、その金属の箸立てを壁にかけた時である。 私は田舎の家から運びこんで来た荷物の山を、自分の家のあちこちにつめこもうと悪戦苦闘していた。 どう考えても今いる家の五倍か下手したら十倍はある広さの田舎の家から… [続きを読む]
(16)働く美術品 2017年06月24日(土) 断捨離狂騒曲 私のささやかなポリシー、というほどのものでもないが、どんなにきれいで繊細でも、器や皿のたぐいはそれなりに、実用品として働いてほしいのである。こわれてしまって使えなくなっても、それはそれで、別のことに使ってやれればいいなあ… [続きを読む]
(15)菓子入れと漬物鉢 2017年06月19日(月) 断捨離狂騒曲 昔、私の家族が住んでいた家の中心は「いろりの部屋」と呼ばれていて、実際に六畳ほどの部屋のまん中に、四角い囲炉裏が切ってあった。冬にはそこで炭火が白い灰をかぶって赤く燃え、黒い五徳の上にやかんがかかって、しゅんしゅんお湯を… [続きを読む]
(14)蔦のある家 2017年06月19日(月) 断捨離狂騒曲 私がいつも暮らしている、小さい家の方(もう少し大きい古い家が隣にある)に次第に荷物が多くなってきた。 自分で動かせるものはいいのだが(まあ、その気になれば何でも動かせないことはないが)、叔母の使っていた大きなセミダブルベ… [続きを読む]
(13)一人の誕生日 2017年06月18日(日) 断捨離狂騒曲 (誕生日・家族の歴史・サプライズ) 無視される祖父 祖父は自分の誕生日を祝いたがった。ことあるごとに「自分は家長」といばりたがった祖父としては、それは家の秩序やけじめを守る、ひとつの基準だったのかもしれない。昔は中国で大… [続きを読む]
(12)鬼とおたふく 2017年06月17日(土) 断捨離狂騒曲 (鬼・おたふく・湯布院) 玄関にいた鬼 田舎の家の玄関に、大きな鬼の面がかかっていた。 小さい時から見慣れているので、恐いと思ったことはない。 広い土間の片側には大きな下駄箱があり、反対側には丸い木の傘立てがあった。 下… [続きを読む]
(11)色あせた猫たち 2017年06月17日(土) 断捨離狂騒曲 前にも書いたが、田舎の古い台所を私はわりと早い段階でリフォームし、母が暮らしやすいようにしたのだが、母は結局、そこにこたつやテレビを集めて、ごみ屋敷にしていた。犬も猫もいっしょにそこで生活していて、目もあてられないありさ… [続きを読む]
(10)多分かなわない夢 2017年06月16日(金) 断捨離狂騒曲 私には夢がある。と、キング牧師の崇高な名文句をこんなところに使ってはバチがあたりそうな上に、スケールの点で月とすっぽんどころではなく比較にならない、情けないにもほどがある小さな夢だ。しかも多分まず実現はしそうにないから、… [続きを読む]
(9)しまおが歩く 2017年05月31日(水) 断捨離狂騒曲 (猫・湯布院・ウォーターシップダウンのうさぎたち) 白猫シルバー 湯布院の山の上に、猫がたくさんいるギャラリーがあって、高価な売り物の服の上に大きな猫が昼寝していたりするのが猫好きな人にはこたえられないだろう。私もしばし… [続きを読む]
(8)緑色の器 2017年05月30日(火) 断捨離狂騒曲 片づけを順調に進める極意は、いろんなものの置き場所を決めて、さっさとそこに持って行けるようにすることであると専門家なら誰もが言う。なかなかそうは行かないのが問題だが、たしかにそれはその通りだ。 ごたごたのいろんなものの山… [続きを読む]
(7)絶対誰にもわかるまい 2017年04月17日(月) 断捨離狂騒曲 (台所・箸・ごみ屋敷) 金にあかせて建てた家 昔の台所は、決してきれいでも明るくも楽しくもない場所だった気がする。 私の生まれ育った田舎の大きな家は、もともと大金持ちのお医者さんが金にあかせて材木の一本一本まで自分で吟味… [続きを読む]
(6)ちょうちょのモビール 2017年03月27日(月) 断捨離狂騒曲 (汚部屋・社会活動・モビール) 汚部屋なんかメじゃない 田舎の大きい古い家は、母がずっと管理してくれていたが、いつの間にか彼女も年をとり、しかも市民運動や平和運動にはせっせと出かけて、選挙の応援や署名活動や集会に出かける… [続きを読む]