「水の王子」通信(114) 2023年01月09日(月) ミーハー精神 「水の王子 山が」第八回 【コトシロヌシの独白】 私の小屋は、川のそばにある。 山の上にあった時と同様、とても小さい。 タカマガハラの人たちの好意で、彼らの船の廃材を多く使っているのも同じだ。色あせたり傷ついたりし… [続きを読む]
「水の王子」通信(113) 2023年01月09日(月) ミーハー精神 「水の王子 山が」第七回 【サグメの独白】 「サグメさまあ!」 明るい、あまりにも明るい声が背後からひびいて、私は危うく前にのめりそうになった。 ふり向かなくてもわかっている。この声はタカヒメだ。 剣の訓練をして… [続きを読む]
「水の王子」通信(112) 2023年01月06日(金) ミーハー精神 「水の王子 山が」第六回 【コトシロヌシの独白】(続き) 私たちは、それからしばらく、草むらの中で陽射しを浴びながら、とりとめのない話をした。「山の上にいつもいた鳥たちは、あれは皆どこに行ったんだ?」タカヒコネが気に… [続きを読む]
「水の王子」通信(111) 2023年01月06日(金) ミーハー精神 「水の王子 山が」第五回 【コトシロヌシの独白】(続き) タカヒコネは山がくずれる前から具合がよくなかったから、ますますやせて、青ざめて、その分鋭い顔だちや、ひきしまった全身に一種のすごみがあった。だが私の父母の家にひ… [続きを読む]
「水の王子」通信(110) 2023年01月05日(木) ミーハー精神 「水の王子 山が」第四回 【作者の説明】 ナカツクニの村の復興にともなって、新しい課題もいろいろと生まれて来ます。これもその一つです。 前回があまり長かったので、今回はこの章は、いくつかに分けますね。 それにしても… [続きを読む]
「水の王子」通信(109) 2023年01月03日(火) ミーハー精神 「水の王子 山が」第三回 (作者の説明) 「村に」もそうだったんですが、この小説は書いていて、喜劇か悲劇かよくわからなくなることがあります。深刻かと思うと滑稽で。何だかひとりでにそうなるのが自分でも不思議です。 スクナ… [続きを読む]
「水の王子」通信(108) 2023年01月01日(日) ミーハー精神 「水の王子 山が」第二回 【タカヒコネの独白】 おれはそのころ、湖に魅せられていた。 他に見るものがなかったからというだけじゃなく。 村でそこそこ長くくらしたから、海なら毎日いやというほど見た。だが考えてみれば、お… [続きを読む]
「水の王子」通信(107) 2022年12月31日(土) ミーハー精神 (これまでのあらすじ) ナカツクニの村が崩壊したとき、地下のがれきの下で、オオクニヌシは元盗賊の若者タカヒコネが、自分の息子タケミナカタを殺したと知っていたこと、そのことで自分がかけた呪いがタカヒコネを死に向かわせている… [続きを読む]
「水の王子」通信(106) 2022年12月30日(金) ミーハー精神 タカヒコネのイラストはそこそこ描いたのに、決定稿をまだアップしてなかったみたい。それともどこかにつけましたっけ? (あ、スサノオのところに入れてたか。) まあこの「通信」の「70」でも、彼については詳しく書いてるんですけ… [続きを読む]
「水の王子」通信(105) 2022年12月18日(日) ミーハー精神 ヒルコとは私にとって何だったのかと言いますと、結局、空想とか理論とか、そういったものなのかなと思います。ハヤオが肉体ならヒルコは精神と言ってもいい。 肉体が蝕まれたり破壊されたり痛めつけられたりするのは、これでもけっこう… [続きを読む]
「水の王子」通信(104) 2022年12月18日(日) ミーハー精神 「水の王子」の登場人物は、ほとんどすべて私自身がモデルですが、ハヤオだけはちがいます。この少年はどこからどこまで、まったく私じゃありません。回りに影響されやすく、周囲や多数にすぐ同化し、それを世間の常識、正しいモラルと信… [続きを読む]
「水の王子」通信(103) 2022年12月17日(土) ミーハー精神 神話ではタケミカヅチは、ナカツクニがタカマガハラに併合されるとき、オオクニヌシの息子タケミナカタを戦って負かして、タカマガハラの勝利に貢献しています。剣や雷の化身とか、イザナギがハヤオを斬り殺したときの血から生まれたとか… [続きを読む]
「水の王子」通信(102) 2022年12月16日(金) ミーハー精神 これはホオリの兄で、いわゆる海幸彦のホデリ。弟に意地悪して結局負けてしまうので、神話では悪役っぽいところもありますが、私に言わせれば、おっちょこちょいの弟の方がすべて悪いので、彼は気の毒な気しかしません(笑)。いつものよ… [続きを読む]
「水の王子」通信(101) 2022年12月16日(金) ミーハー精神 日本神話の中では、ホオリとホデリの兄弟の話は、海幸彦と山幸彦の話として、童話などでもよく知られており、「わだつみのいろこのみや」なんて青木繁の絵のテーマにもなってるぐらい有名です。天皇家の先祖につながる子どもを生む妻を持… [続きを読む]
「水の王子」通信(100) 2022年12月16日(金) ミーハー精神 コトシロヌシもけっこう描きにくいんですよねー。何しろ「これと言った特徴が全然ない人」なんですから。 日本神話では彼はオオクニヌシの息子の一人。タカマガハラからナカツクニを併合するという打診があったとき、抵抗して戦おうとし… [続きを読む]