福岡教育大学物語2-現状での問題

何せ時間がないので、ちょこっとずつ。

5月26日の市民への報告集会で、教育大の組合の先生方から報告された、現状は次の3点にまとめてありました。

1 不当労働行為

労働組合法で保障された権利が守られているか、国の労働委員会というのがチェックしています。
ここに、学長のしたことを組合が訴えました。2013年です。
そうしたら、学長の行為は「不当労働行為」だから、大学の公式ウェブサイトの記事を改め、訂正記事を出さなくてはならない、という「救済命令」(判決です)が出ました。2016年です。

大学執行部はこれを不服として、最高裁まで争いました。2019年に判決は確定し、大学の言い分は認められませんでした。

最高裁まで訴えたことで300万円を大学は払いました。授業料と税金です。

大学執行部は「反省、謝罪は判決文にはない」と言って、どちらもしていません。

2 学生教育に関する問題

今の学校教育の流れは、小学校中学校の複数免許を望む方向にあり、採用試験でも主免の他に復免(シュメンもフクメンも、パソコンの文字検索でも出ねーよ。私がいたころ新任の先生が「ふくめんふくめんというからマスクでもするのかと思った」ととまどってましたが、教育大では使いまくられる用語です。スパイかどうかを見抜く合言葉にしてもいいぐらい。要するに小学校教員の免許状以外に、幼稚園や中学校や高校の免許状が取れたりすること。卒業できるのに必要な単位以外に余分な単位を取ってがんばればですが。)を持っている方がものすごく有利になっています。

教育大では昔から努力すれば、普通にいくつも取れたのですが、これが最近の改革で、ほぼ取れなくなっています。学生や保護者にも就職が不利になる大打撃で、受験者数も激減しました。

組合員に限らず、教員の多くが委員会や教授会で、この改革に反対しました。資料も理由もあげました。しかしまったく無視されました。なぜそうするのか、したいのか、大学執行部の意図もよくわかりません。

ちなみに、私がいたころから、このような単位を取るためのカリキュラムの作成は、航空管制塔の発着予定表(いや、知らんけど、多分)以上の大変な複雑さでした。限られた教員数で学生にとって最善のカリキュラムを作るために、魔術のような熟練した手腕がカリキュラム委員会には要求されていました。各講座の現場の声を十分に聞かなければ絶対に簡単に手をつけられない分野というか部分というか聖域というか。
事情はわかりませんが、学長や執行部のリーダーシップを発揮して、学外からおいでになったトップ会議の方々の承認を得て、安易にいじったりしたら、とんでもないことになって収拾つかない状態になります。そうでなかったならばいいがと思っています。

3 経営に関して

報告された先生もうんざりされていたように、勝手な人事、予算の無駄、身内の優遇などなど、週刊誌とワイドショーが一番飛びつきそうな内容ですが、これはまた、次に。

なお、宗像市長と福岡県教育長も、学長直属の経営会議には参加しており、1~3までの件のすべてはご存じのはずです。

また私に言わせれば、こんな事態までなって、まだそれをどうともできない諸悪の根源は「大学は議論ばかりでことが進まないから、学長に何でも決定できる権限を与えて、ちゃっちゃっと社会の役に立つことを決めさせよう」と法案を改革して、学長が何でもできるようにしちまった政府と、そうだそうだと当時賛成した、マスコミと社会全体の責任です。こんなこと言ったら組合の先生方からは袋叩きにされそうですが、ある意味、こんな救いのない状況に追い込まれて晩節を汚しまくってる学長や執行部も被害者です。

そりゃ情報がなかった事情がわからなかったとは言え、国会でもきちんと「学長が暴走しないか」という危惧は質問されてたし、日本国民の誰もが、知らなかったや関係ないじゃすまされません。
もちろんマスコミや社会に十分訴えなかった、私ら大学教職員の責任もあります。
その罪ほろぼしもかねて、こうして私は書いています。どなたもどうぞ、読んで、しゃべって、広めて下さい。即座の対応はできないかもしれませんが、質問、反論、情報提供も歓迎します。「お手紙」欄からメールして下さい。

写真は何の関係もないけど、手持ちの古い絵葉書のご紹介です。

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