福岡教育大学物語11-第三者にできること
今回はちょっと、無駄話っぽいです。でも大事なことです。
私はこの連載を、フェイスブックとツイッターにもリンクしています。フェイスブックの方では、卒業生の人がコメントくれたりしているので、一応そちらもごらんになっていて下さい。
他に、お手紙欄や、メールで、いろんな感想やご報告をいただいています。
「寺尾さんは、昔はいい研究もしていて、そんな人ではなかったのに、どうしてしまったのか」
「やってることが、もう全部クズですね」
「(ある超有名大規模私立大学のかたから)最近うちの大学の執行部でも似た動きがあって、読んでいて大変参考になります」
「前学長は多額の退職金を手にして退職し、今の学長ももうすぐ同じように、気に入った人に地位を譲って自分は退職金をつかんで去る予定でいるのかと思うと、腹立たしくてなりません」
なぜもっと皆関心を持たず反応がないのか、といらだっている人もいますが、やはり大学で起こっていることは、学外の人にとっては、どう関わっていいのか、難しいと思います。
いきなりものすごく話が飛びますが、トランプが、「もうアメリカは他国のことに口出しする余裕はない」とか(そのわりには武器や兵器は売りつけまくっていますが)他国への介入を控えるようなこと言ってますが、私が学生のころはアメリカは世界の憲兵や警察気取りで、世界中の国の政治に介入しまくっていました。
独裁や人権侵害を許さないとか言いつつ、要するに共産主義になるかもしれない動きを全力で弾圧してただけで、その一番ひどいのが、チリのアジェンデ政権攻撃ですけど、まあフセイン殺したのもたいがいですけど、あえて言うなら、あのしょうもないおせっかいは、それなりの正義感と責任感もあってのことで、きっと第二次大戦で正義の味方風にフランスを解放したときの快感がクセになっちゃったんだろうなあ、というのが、私の下世話な解釈です。(ほんともう、ますます話は飛ぶけれど、去年の日本シリーズで、広島の緒方監督が失敗続きの盗塁をさせまくって、「きっと甲斐キャノンが好きなんだろ、中毒になってやめられないんだ」と、2ちゃんねるで皆がやけ半分の悪口で盛り上がってましたが、私はその悪口を見るたびに、アメリカの正義の味方、人助け中毒がやめられないのも、誰かこんな風におちょくれよと、とことん、あらぬことを考えてました。いやそんなこと連想するのは緒方監督に大変失礼ですけれど。)
私は学生時代以来、アメリカの、そういうやり方と、ずっと戦ってきたみたいなもんですけど、そのしょうもないおせっかいな正義感は多分、必要でないこともないところがあって、更に言うなら、キリスト教があのものすごいエネルギーで、未開と言われた地球各地で布教して信仰を広めたのも、思い上がりの異文化破壊と言えばそうだろうけど、また、必要な面もないわけではないと思ったりもする。
つまり、女の子の性器切除するアフリカとか、持参金の少ない花嫁を焼き殺すインドとか、そこの伝統で風習だから口をはさめないとするのか、許しちゃいかんと介入するのか、犬を食うのはいかんとかイルカやクジラを食うのはいかんとか、どこまで人の世界や組織や文化に関わるのかって、慎重に、繊細に考えてたら、手も口もなかなか出せません。
数年前、最初に教育大の実情について、市民の皆さんへの報告集会があったとき、参加者は報告を聞いて驚き怒りながら、結局は「先生方がんばって下さい」というエールを送る発言がほとんどで、私は「いやそんなこと言っても、死にかけたガンの患者さんや、被災したり犯罪にあった被害者に『がんばれ』というのと同じで、教育大の中の先生たちに、これ以上どうがんばれと言うのですか。大学がこうなった責任は社会の一般の市民にもあります。私たちが何かをするべきです」と、いつものように過激な発言をしたのですが、やっぱり、どう関わっていいかわからなくて、「当事者の皆さん、がんばって下さい」とかしか、言いようがないのですよ。なかなか、普通は。
女性差別だってそう。沖縄だってそう。当事者じゃない人たち(男性とか、ヤマトンチュ―とか)が何をすればいいか、どうすればいいかは、案外とても難しい。
そのへんのことも、考えたいし、話したいです。
さしあたりは、とにかく知って下さい。広めて下さい。話して下さい。フェイスブックで卒業生が書いているように、どこの組織にも程度の差こそあれ、共通の問題の要素があります。それについても語りましょう。考えましょう。
私が彼女に書いたように、どこでも同じようなことがあるのなら、農薬や防虫剤と同じように、効果的な駆除法を見つければ、全部がそれで解決できるってこともあるわけです。
だから、ここは、体験と情報を寄せ合って、智慧を出し合いましょう。力を合わせましょう。アメリカが、あれだけ犠牲を出して失敗したことを思えば、少々の失敗や紆余曲折の可能性なんかにびくびくするほどのことはありません。
海外ドラマの「ワンス・アポン・ア・タイム」見てて、ときどき思うんですが、ヒロインは相当自分勝手なめちゃくちゃをするけど、結果として滅びませんね。あれはきっと正しいんですよ。