福岡教育大学物語7-受取拒否された質問状

昨夜、メールをもらって知りましたが、教育大OBの名誉教授の先生方が、学長に送った質問状が、未開封で、受取拒否で返送されてきたそうです。

それ前にも聞いたという方がおられるかもしれませんが、これは二度目です。少し前に一人の先生が学長のご自宅に質問状を送ったら未開封で返送されて来て、今回は数名の先生が連名で大学の学長室あてに送ったのが、返送されて来ました。(その後、確認したら、今回もご自宅あてに送ったそうです。お詫びして訂正します。しかし、どちらでも基本的には同じことだと思います。)
画像を見ると、「受取拒否」と書いてあって学長の自筆だそうです。

私も主事という学部長みたいな仕事を一時していたからわかりますが、役職にいるのはきついです。何をやっても文句を言われて批判されるし、ねぎらわれたりほめられたりすることなんか、まずありません。誠実に対応すればするほど、言わせてもらえばつけあがって、甘えられて、なめられて、泥沼です。満身創痍でも傷の上からたたかれて、切りつけられます。

民主主義ってそういうもんだし、上に立つのはそういうもんだし、これが健全な状況だとわかっていたからあきらめてましたけど、それでもあの時期私はたいがいの先生たちが大嫌いになりました。改革委員会の仕事もたけなわのころは、けっこう交通量の多い大学前の道路に通じる坂道を、ブレーキもかけず前方確認もせずに全速力で飛び出したことが何度かありました。事故って死んでもかまわないと確信犯で思っていた、事実上自殺行為でした。たまたま車が通っていたら、とんでもない迷惑をかけたでしょうから、神か仏かご先祖様かには、感謝するしかありません。

酒やオトコには溺れなかった代わり、近所の本屋(今はもうない)の前にあったUFOキャッチャーに没頭して、30個以上のぬいぐるみをゲットし、60万円以上散財しました。
そのころか、その前後か、どこかの小学校か中学校かで問題が起こって騒動になってたとき、校長がストリップを見に行ってたことがばれて、たたかれまくっていましたが、私はそのニュースを見て、そりゃそんな立場の管理職ならストリップぐらい見るだろどこが悪いと思ってたものです。

それでも、それが仕事だし、その状況を維持することが一番の役割だと思っていたからやってましたけど、上に立つ者の意識からすると、民主主義って弱い者いじめ以外の何でもないというような気分になることは多いです。

だから、構成員の意見をいっさい聞かないことにする気持ちは、それなりにわかりますが、やっぱりそれはまずいでしょう。最初に手紙が受取拒否で戻されたときも思いましたが、多額の寄付の申し出とかだったらどうするんですか(笑)。恋人や友人と絶交してるとかじゃなし、公人だったら、あらゆる情報を受け入れてチェックするのは危機管理上も必要な義務ですよね。

私は主事や改革委員の仕事を始めたとき、とりあえず「気が狂わない、身体こわさない、友だちなくさない」だけをモットーにしていました。あとの二つも怪しいですが、友だちは完全に何人もなくしましたね。別に表立ってのつきあいはまったく変わりませんが、もう二度と一瞬たりともこの人のことは好きにならないと決めた相手は、あの時期に爆発的に増えました(笑)。

ですが、そもそも人間そんなに好きで信頼できる相手がわさわさいる方がおかしいし、この状況は健全だと私は思っています。
何よりそんな感情は、日記に書くか、一人で部屋の中でネコにでも話すか、せいぜい関係ない立場の人と飲み屋でくだを巻くかしてればいい、というか、それしかしてはいけなくて、公の席や仕事の上では、敵意や好悪は完全に封印し、切り離して行動し発言するのが、まともな大人ってもんでしょう。

そもそも今、国の政府も首相も官房長官も、それが全然できていないのだから、たかが地方大学の一学長にそんな普通の働き方常識を要求するのも酷だって気はしますけど、しかしやっぱり、まずいですよ。聞く耳持たないと大っぴらに示すのは。
それにさ、あんまりこういう言い方したくはないけど、どんなに嫌いでうっとうしい子どもでも、そんなことおくびにも出さず満面の笑みで、何でも聞いてあげる姿勢をたたきこまれるのが基本の、偽善者養成大学(ほめてます)が、教育大学じゃないですか。トップに立つ者が、そのくらいの「ご意見ありがたくうけたまわります。慎重に検討させていただきます」と言っといて手紙は丸めてくずかごに放りこむぐらいの裏表の使い分けできないでどうするんだろ。せめて、そのくらいのみえははろうよ、強がり保とうよ、カッコつけようよ、人より強い立場にいるからには。

 

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