福岡教育大学物語41-ライオンの虫歯

少し補充したので、当面その部分は赤のアンダーラインで示します。

ちょっとまた脱線します。

昔、卒業生への手紙で、「あんたそんな強い相手のこと、あんたが心配してやってる場合か。ライオンに食われかけたうさぎが、相手の口の中見て虫歯の心配してやってるようなもんや」と怒ったのですけど、何のことはない、私にもそういうことはあるのかもしれない。

シカト(無視、黙殺)しまくりの大学と学長の態度が、ひどすぎると書こうとしてたのですが、その資料にしようかと思って、組合が出した質問状や申立書その他の文章を見ていたら、もう寸分すきない論文ばりの長文ばかりで、あえなく途中で死にました。

書いてる人たちが立派な学者だからこうなるのも当然ですが、これは学長も事務局もきっと対応できないわー。寺尾先生や櫻井先生、事務局の方々の能力は知らんけど、私が学長だったらもう、こんな立派な文書を読んで分析して対応して、同じ水準の回答返す能力はない。パワーもない。

え?と組合の先生方がびっくりされてるのが目に見えるようですよ。学生指導と論文執筆の間にこれだけのものまとめて出せる方々は、もうまちがいなく優秀です。そしてそういう人たちって多分自分のそういう力に気づいてない。

失礼だったらごめんなさい。こういう文書が立て続けに来たら、学長や大学や事務局は、もうお手あげだと思うんです。内容は正しいし。形式も正しいし。調査は万全だし。とてもいちいち応じられない。することはもう、泣くか、辞職するか、暴力ふるうか、開き直って無視するか。

で、そのあげくのシカトじゃないのか。登校拒否の、死んだふり。それしかしようがなかったんじゃないか。
しかもやって見たら、案外それで何事も起こらず、暴動もストライキもなくマスコミも騒がず文科省も文句言わず、しーんと静かなままなんだもん。味しめますよそりゃ。ほっとしますよそりゃ。あ、これでいいんなら、もうこんな難しい宿題はカバンにしまってないことにして、普通にもっと快適な式典や行事や桜見物のパーティーや外遊やして、ちゃんと世の中は無事に回ってる、私たちのもとですべてはうまく行ってるとアピールしとけば日は過ぎるって思いますよねそりゃ(一部、放送の回線が他のものと混じったようですみません)。

回線事故の話をすると、現政権もきっとこうなのね。野党特に共産党あたりの圧倒的な正論と正確な資料の前に、もう論戦以前の読解や考察の能力が決定的に劣るから、苦しまぎれに死んだふりして、脅かしと寿司のごちそうでマスコミを黙らせたり、各界の要職を抑えたりしたら、案外それで何事も起こらないし、うすうすわかってる国民も、「あー、あんなに何もしなくて、わからないままでも、ちゃんと仕事はやれるんだ」と、ほっとして力づけられて、能力がない(とも思ってるだけかもしないけど)自分も存在を許されるような安心感を味わって、ふと共感し、つい支持し、ガミガミ言ってる野党の方を、「やかましいなあ、ひどいなあ、そっとしといてやれよ」と思っちゃう。

組合の調査や資料づくりは正しいし必要なんですよ。私もそれでどのくらい助かってるか知れないし。でも、ことがこうなったら、相手の能力も考えて攻撃しないと、無抵抗で目の前で死んだふりして寝込まれたらおしまいでしょう。弾撃ちこんで殺せるだけの権力はこっちにないんだから。

でもまあ、ここまで来てるのだから、それはもういいんですが、とにかく、あの常識を超えた無視と黙殺は、現政権にも通底(この語、使ってみたかったのよね♪)する、追いこまれた劣等生のふてくされの要素もあるってことは考えててもいい。

私はよく若者を批判する人たちに、自分が千年生きるつもりならいざ知らず、未来は今の若者しかいないのだから、彼らのできそうなことをお願いしとくしかないじゃないかと言います。それとは厳密には大いにちがいますけれど、現実に今、権力を持ってる人に対しては、その人たちにさせられること、その人たちができることで、こっちがしてほしいことは何かということは、やっぱり考えて行かなきゃいけない。

そんなに能力ないんだったら、そもそも何で学長や首相やいろんなところのトップになったんだって言いたい人もいるだろうけど、そんなの自分じゃわからなかったかしれないし、とにかく今そこにいるんだからしかたがないでしょ。どうしてそんなことになってしまったか将来どうするかという分析や対策はさておき、今その地位にいる人については、それなりに大切に扱って、その人なりによいことができるような、つまらないことをしないような工夫をせいぜいしなければ。

何かもう、八方美人ならぬ、四方八方に失礼なこと言いまくってますけどね、ライオンの虫歯の心配なみに見当はずれかもしれませんけどね、お心のすみにとめておいていただけたなら、ひょっとして何かの役にたつかと。

次回はまたちゃんとまともに、無視される者の苦しみについて話します。これは今度は無視する方の皆さまに読んでほしいと思います。

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カツジ猫