「 岬のたき火」の巻

第四章　とってもかわいい女の子 翌朝もいい天気で、出してもらった朝食もおいしかった。薄紫の細かい花びらを散らしたような銀色がかったかゆが、とりわけ味がよく、ヒルコとハヤオがそう言ってほめると、主人夫婦は満足そうに、「君た…

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少し前に検査で甲状腺に腫瘍があると言われた。これはもうずっと前からしょっちゅう人間ドックで指摘されていたのだが、ここ数年定期検査をサボっていた。まあ大丈夫とは思ったが精密検査を受けて、その結果が月末にわかって、一応良性で…

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第三章　一番強いのは誰？ 「あら、そう？　あたしに言わせれば、二人はとても似ていると思うけど」と言って笑ったのは、ニニギの妻のコノハナサクヤだ。どこかはかない危うげな華やかさがあって、村一番の美女と評判が高い。その一方で…

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みなさん、こんばんわ うしろに、かいぬしの、あしがかたっぽうつってるけど、ごめんな。 「このかお、いいやん」と、かいぬしが、いうもんだからさ。 ぼくの、だいせんぱいの「きゃらめる」さんのめいにちが、ちかいです。 　かいぬ…

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年甲斐もなく、あちこち走り回りすぎて、なんか疲れがたまってる感じ。しばらくゆっくり寝て暮らそう、と思いながら、今日は久々に街にカットに行く。ひと月、行くのをさぼったので、けっこうもしゃもしゃになってたのを春らしくすっきり…

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第二章　これまでのこと  ヒルコとハヤオは、どちらも十歳か十一歳ぐらいの少年だ。空の上の世界タカマガハラから、イザナギとイザナミ男女二人の神が地上に下りて、この世界を作ったとき、最初と最後に生まれた子だ。 　ヒルコはまだ…

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　　　　　※ 　ヒルコは「そうだね」と言って、またふとんの中にすべりこんだ。「あのね、キノマタが作ろうとした宮殿は結局しあがらなかったし、見たわけでもないけどさ、何だかこのお屋敷に似てると思わない？」 　「見たことないも…

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…って、私は何と戦ってるんだ？（笑） 二月の後半、何だか勝手に忙しくなって、あちこち出歩いてました。 昨日はまた由布院に行って来ました。またしても連休明けで少しは静かでしたが、やはりけっこうにぎわっていました。ホテルの窓…

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　　　　　※ 　「めええええ」ハヤオはヒルコにからみつきながら、小声で山羊の鳴きまねをした。 　ヒルコは笑って押し返しながら、ささやいた。「まあまあだったね」 　「まあまあだって？　上々すぎるじゃないか。夕ごはんをごちそ…

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お知らせするひまがなかったのですが、昨日近くの河東コミセンで、アベ元首相を描いた「妖怪の孫」の上映会がありました。「むなかた九条の会」の主催です。 　連休最後の日でしたけれど、ずいぶんたくさんの方が参加して下さって、うれ…

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第一章　今夜の宿は 峠の上でハヤオとヒルコはひと休みした。秋晴れのいい天気だった。背後には高く山がそびえ、眼下には色づいた木々が重なっていた。谷の底には村が見えた。昨日二人が旅立って来たと同じぐらいの小さな村だった。  …

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昨夜ぼんやりNHKののど自慢全国グランプリをつけっぱなしにしていたら、秋田県かどこかの代表の８１歳ぐらいのおじいさんが、「長崎の鐘」を歌った。紹介の字幕に「平和への祈りをこめて」と書いてあった。お母さんが好きな歌で、「戦…

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別にいやなことばかりじゃないけど、二月の後半は、ひょんなことからめっちゃ予定が厳しくて。 　どうやったら体調こわさず、無事に乗り切れるかとあれこれ考えていたのですが、これまでのところ、危なっかしくも何とか予定をこなしてい…

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というか、制作過程みたいなもん（笑）。 　「村に」以後、ナカツクニの村を舞台にしたシリーズをいくつか書いていて、いつからか、この村の滅亡と登場人物たちの最期を書きたい誘惑にかられはじめて困りました。 　何かもう、涙なしで…

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みなさん、こんにちわ かいぬしは、ばてていたけど、だいぶ、ふっかつしたようです。 「またさむくなるらしいから、おおきすぎるふるいふくを、りふぉーむにもっていこうかな」とかいっていました。 にがつにじゅうににちで、にゃあに…

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