水の王子・「川も」5 2024年03月01日(金) ミーハー精神 第三章 一番強いのは誰? 「あら、そう? あたしに言わせれば、二人はとても似ていると思うけど」と言って笑ったのは、ニニギの妻のコノハナサクヤだ。どこかはかない危うげな華やかさがあって、村一番の美女と評判が高い。その一方で… [続きを読む]
水の王子・「川も」4 2024年02月29日(木) ミーハー精神 第二章 これまでのこと ヒルコとハヤオは、どちらも十歳か十一歳ぐらいの少年だ。空の上の世界タカマガハラから、イザナギとイザナミ男女二人の神が地上に下りて、この世界を作ったとき、最初と最後に生まれた子だ。 ヒルコはまだ… [続きを読む]
水の王子・「川も」3 2024年02月28日(水) ミーハー精神 ※ ヒルコは「そうだね」と言って、またふとんの中にすべりこんだ。「あのね、キノマタが作ろうとした宮殿は結局しあがらなかったし、見たわけでもないけどさ、何だかこのお屋敷に似てると思わない?」 「見たことないも… [続きを読む]
水の王子・「川も」2 2024年02月28日(水) ミーハー精神 ※ 「めええええ」ハヤオはヒルコにからみつきながら、小声で山羊の鳴きまねをした。 ヒルコは笑って押し返しながら、ささやいた。「まあまあだったね」 「まあまあだって? 上々すぎるじゃないか。夕ごはんをごちそ… [続きを読む]
水の王子・「川も」1 2024年02月26日(月) ミーハー精神 第一章 今夜の宿は 峠の上でハヤオとヒルコはひと休みした。秋晴れのいい天気だった。背後には高く山がそびえ、眼下には色づいた木々が重なっていた。谷の底には村が見えた。昨日二人が旅立って来たと同じぐらいの小さな村だった。 … [続きを読む]
「湖よ」のネタばらし(水の王子覚書21) 2024年02月23日(金) ミーハー精神 というか、制作過程みたいなもん(笑)。 「村に」以後、ナカツクニの村を舞台にしたシリーズをいくつか書いていて、いつからか、この村の滅亡と登場人物たちの最期を書きたい誘惑にかられはじめて困りました。 何かもう、涙なしで… [続きを読む]
「水の王子」シリーズの出版予定(水の王子覚書20) 2024年02月22日(木) ミーハー精神 徒然なるままに、「水の王子」シリーズの今後の出版予定。 一応、「山が」以降は、このブログの「ミーハー精神」の項目にすべて連載していますが、今年中には電子書籍や紙本で出版することが目標です。金も時間も大丈夫なのかな私。ぶる… [続きを読む]
電子書籍発売(水の王子覚書19) 2024年02月19日(月) ミーハー精神 ちょっと遅れましたが、「山が」と「空へ」が合冊でAmazonの電子書籍として出版されました。 ご購入いただければ 大変うれしく存じます。 Amazonとブログに上げた説明文をあげておきますね。 いずれ紙本でも出しますが… [続きを読む]
怒りが書かせた(水の王子覚書18) 2024年02月19日(月) ミーハー精神 「沖と」をものすごい早さで書き上げてしまったのですが、あらためて少しつけ加えると。 そもそも「水の王子」は、「岬まで」でかなりすっきり終われたので、これでいいと思っていたのですが、急にエピローグみたいな感じで、けっこう長… [続きを読む]
水の王子・「湖よ」 2024年02月18日(日) ミーハー精神 (これは、時期的には「渚なら」と同じぐらいで、「岬まで」よりは、かなり前のお話。短いし、のんびりとお楽しみ下さい。) 第一章 とり残されて 深い緑の森の中に、大きな湖はしんと静まりかえっていた。小鳥の声がするだけで、人… [続きを読む]
元歌?のイメージ(水の王子覚書17) 2024年02月17日(土) ミーハー精神 「沖と」が完成しました。我ながらものすごい速さでした(笑)。最後に近いイラストの三人と一匹の姿は、そのまま今の私です。 冗談はさておき、この作品について語りたいことは、本編以上に山ほどあるのですが、しょうもないことから話… [続きを読む]
水の王子・「沖と」12(最終回) 2024年02月17日(土) ミーハー精神 第十章 オオヤマツミ タカマガハラの白い船は人々を乗せて、朝の光の中をゆっくりと海岸の方へと向かっていた。甲板の上に村人たちはあふれていたが、ひしめくほどの数ではなかった。村が消え、変わり果てた海岸の様子を見る気になれな… [続きを読む]
水の王子・「沖と」11 2024年02月16日(金) ミーハー精神 ※ たしかにまったく、安心するのはまだ早かった。 特に、クシマトがおおえなかった部分にいた人々にとっては。 ものすごい衝撃とともに灯台がゆれ、一瞬かしいで元に戻った。壁をとおして荒々しい水音がひびき、まる… [続きを読む]
水の王子・「沖と」10 2024年02月15日(木) ミーハー精神 第九章 イナヒ イナヒは村の中を走り回っていた。 どの家も、どの家も、がらんとしていて、誰もいない。 道にも畑にも、見渡す限り、人や生きものの姿はない。 いったい何が起こっているのか、イナヒにはさっぱりわからなかっ… [続きを読む]
あわただしくご紹介(水の王子覚書16) 2024年02月14日(水) ミーハー精神 じ、実は「沖と」はラストまでもう原稿の下書きはできてるんです。ただアップする暇がない。もしこの数日、私に何かあったら、パソコン横の机の上の手書きの原稿をどなたか清書して下さいませ(笑)。あっ、ラストの部分はあまりにも訂正… [続きを読む]