「水の王子」通信(142) 2023年02月06日(月) ミーハー精神 「水の王子 山が」第三十五回 【息子と娘】 はじかれたようにふり向いた三人に、歯のない口で笑いかけて、スクナビコはよたよたと、かたわらの椅子に腰を下ろした。 「だってそりゃ、無理もないでしょう?」タカヒコネは言い返し… [続きを読む]
「水の王子」通信(141) 2023年02月05日(日) ミーハー精神 「水の王子 山が」第三十三回 【家族の事情】 オオクニヌシが目を見はったのも無理はない。緊張し、ほおをかすかに染めたスセリはいつにも増して若々しく、ほとんど少女のように見えたのだから。 「オオクニヌシ」と呼びかけたそ… [続きを読む]
『大才子・小津久足』感想(19) 2023年02月04日(土) 日記 【敵はいずこに】 渡辺京二氏『逝きし世の面影』は、幕末に日本を訪れた外国人の旅行記類から、当時の日本の人々の生活や文化を評価し賞賛している記事を紹介して、今では失われてしまったよき時代を回想しようとしているもので、江戸時… [続きを読む]
息が苦しくなる 2023年02月04日(土) 日記 こんなことを言わせておくのか。 何から何まで、最低だ。 LGBTQなど性的少数者や同性婚のあり方を巡り、経済産業省出身の荒井勝喜首相秘書官が3日夜、記者団の取材に「僕だって見るのも嫌だ。隣に住んでいるのもちょっと嫌だ」… [続きを読む]
『大才子・小津久足』感想(18) 2023年02月03日(金) 日記 【私には江戸時代はわからない】 まずは、江戸時代について。 この第五章の最後すなわちこの本のしめくくりに、菱岡君は私たちがどのように江戸時代と触れ合っていくかについて述べている。 現代の感覚を基準にして見るのではなく、… [続きを読む]
『大才子・小津久足』感想(17) 2023年02月02日(木) 日記 毒を食らわば皿までも いよいよ終章である。 本全体のキャッチコピーなどにもなっている、主として四つの名を使い分けた小津久足の、そのように名乗っていた理由を説明して、それがすなわち江戸時代を理解する大きなカギにもなるのだ… [続きを読む]
「水の王子」通信(140) 2023年02月02日(木) ミーハー精神 「水の王子 山が」第三十二回 【スセリの決心】 けものの、ぴんと立てた大きなふさふさのしっぽの毛が、あるかなきかの風にそよいだ。なぜか今日は、けものはうならなかった。タカヒコネの足の回りを、子細らしい、もったいぶった様… [続きを読む]
「水の王子」通信(139) 2023年02月01日(水) ミーハー精神 「水の王子 山が」第三十一回 【月が満ちる前に】 先ほどまでの、全身にはりつめていた力はもう失せて、すくみあがったように動けずにいるタカヒコネから、ツクヨミはふっと目をそらして顔を上げた。かすかに笑って彼は身体も起こし… [続きを読む]
「水の王子」通信(138) 2023年01月31日(火) ミーハー精神 「水の王子 山が」第三十回 【真実の悪を求めて】 いつの間にかうなだれているタカヒコネを見つめるツクヨミの目が、すごみを帯びて青く光った。 「聞け」彼は静かに言った。「せっかくおまえが大切な秘密を教えてくれたんだから… [続きを読む]
「水の王子」通信(137) 2023年01月31日(火) ミーハー精神 「水の王子 山が」第二十九回 【消された未来】 タカヒコネは顔色ひとつ変えなかった。黙って湖面を見つめていた。ただ舟べりを握った手に力がこもって、指の節が白くなった。 ツクヨミはそれを見ていた。「おやおや」と彼はから… [続きを読む]
「水の王子」通信(136) 2023年01月30日(月) ミーハー精神 「水の王子 山が」第二十八回 【魚の影】 「うまいじゃないか」からかうような声がかかって、コトシロヌシの祭りの日のことばを思い出してみていたタカヒコネは、はっとしてふりあおぎながら、とびきりの明るい笑顔を作った。 … [続きを読む]
はっちゃけようかどうしょうか 2023年01月30日(月) 日記 このブログで連載してる菱岡君の「大才子・小津久足」の感想が、あともうちょっとなのだけど、この終章がなかなか手ごわい。引用されてる本を読んでみたくてしょうがないのだが、そのヒマがなく、というかどーせ、このへんの本屋さんには… [続きを読む]
「水の王子」通信(135) 2023年01月30日(月) ミーハー精神 「水の王子 山が」第二十七回 【穏やかな日々】 湖を渡ってくる風がうすら寒い。タカヒコネは泥のついた手をちょっとこすり合わせて息を吐きかけると、かなりつるの伸びてきた野菜をよけながら、柵のこわれた部分をひもでしばり直… [続きを読む]
「水の王子」通信(134) 2023年01月30日(月) ミーハー精神 「水の王子 山が」第二十七回 【おかしな獣】 オオクニヌシが家に入って行ったとき、へやの中は何だかおかしな雰囲気だった。つぼやかごが、いくつかひっくり返り、ううふうう、ふううと、けんのんなうなり声がしている。スセリは… [続きを読む]
男に借りは作りたくない 2023年01月29日(日) 日記 雪が降ったり日が照ったり、庭も身体も対策のしように困る毎日だ。一応、玄関に避難させていたカーネーションと菜の花は庭に戻した。 写真は玄関に入れていた菜の花。今は庭で元気です。それにしても、水仙が好きだった母がいつも、「雪… [続きを読む]